『エキゾチックペットの命を守る本 もしもに備える救急ガイド』(著:サニーカミヤ、監修:小沼守)発刊

緑書房ではこのたび、『エキゾチックペットの命を守る本 もしもに備える救急ガイド』(著:サニーカミヤ、監修:小沼守)を発刊しました。

ペットを守るヒーローは飼い主自身!

愛するペットが苦しそうにしていたら……
愛するペットが心肺停止になったら……
愛するペットと大災害にあったら……
ペットと暮らす飼い主なら、そのような心配をしたことはあるはずです。

この本では、エキゾチックペット(ウサギ、モルモット、デグー、チンチラ、フェレット、シマリス、ハリネズミ、ハムスター、フクロモモンガ、小鳥、カメ、トカゲなど)の病気やケガ、自然災害などの危機に対して、飼い主に習得してもらいたい知識や技術を具体的に整理しています。著者のサニーカミヤさんが代表理事を務める日本国際動物救命救急協会*が主催する「エキゾチックペットセーバー講習会(エキゾチックペットセーバープログラム**)」の内容を中心に解説を進めながら、それ以外にも知っておいてほしい飼養や危機管理に関連する話題を幅広く取り上げています。

サニーカミヤさんはこの本を出版した理由について、「ペットを守るヒーローは飼い主自身。いざというとき、かけがえのない命を助けるためには、飼い主による適切な初動がとても重要です。この本は『いざというとき』に勇気をもって行動に移すための知識をふんだんに詰め込んでいます。ここで取り上げている内容を理解し、心肺蘇生法や動物病院への搬送手順などを繰り返し練習することで、大切な家族であるペットの、そして、誰かの大切な家族であるペットの命を守ってほしい」と語っています。

*ペットテック社(アメリカ)が開発したペットの救命救急・防災対策プログラム「ペットセーバープログラム」(犬・猫が対象)の普及を目的にサニーカミヤさんが設立した協会。2013年より「ペットセーバー講習会」を全国各地で展開しており、その受講者は2024年3月現在約8万人に上る。
**「ペットセーバープログラム」を参考にしつつ、エキゾチックペットに特化したプログラムとして、日本国際動物救命救急協会が2021年に独自に構築したもの。この本の監修者である小沼守さんが作成。

写真:「この本の内容をしっかりと習得し、助かる命を助けてほしい」と著者のサニーカミヤさん

命の危機や重大な病気・ケガへの対応法を豊富な図版と動画で解説

前半の第1章と第2章では、呼吸困難など命の危機に瀕するペットへの救命処置、普段の生活で起こりうる病気やケガへの応急処置や予防法について、動画も用いながら詳しく解説しています。
ここで取り上げている呼吸困難や心肺停止、虚脱、発作、尿の異常などの救急疾患、骨折、やけど、感電など日常で起こりうる事故に対し、すみやかに対応するための知識を備えることは、飼い主としての責任ともいえます。

図:呼吸困難の評価や心肺蘇生法の手順について、9点の動画解説を含め詳細に解説(第1章)

図:日常生活において特に注意が必要な救急疾患の原因や症状、応急処置の方法を豊富な図版とともに解説(第2章)

エキゾチックペットにおける防災対策と同行・同伴避難の課題を考察

後半の第3章と第4章では、災害時における安全確保や同行避難方法、避難所などでの同伴避難を円滑に進めるための事前準備などを具体的に取り上げています。

過去の自然災害においても、ペットのストレスやほかの避難者への配慮から、多くの飼い主が車中避難を選択しているという問題が浮き彫りになっています。さらには、迷子ペット、置き去り事例などもたびたび見受けられています。ペットは家族であるという社会的な認識が定着し、動物愛護への意識も高まっているものの、災害時における人とペットの同行・同伴避難については依然として課題が多く、エキゾチックペットではなおさらであることから、幅広い視座から「飼い主ができること・しなければならないこと」を考察しています。

図:熊本地震におけるウサギの被災の実際について、飼い主さんへのアンケート調査をもとに紹介(第3章)

図:スムーズな同行・同伴避難を実現するための情報も充実(第4章)

監修者の小沼守さんは、エキゾチックペットとの防災対策の必要性について、以下のように述べています。
「被災時における飼い主さんの行動は、自助、共助、公助が基本となりますが、公助が届くには時間がかかります。初動においては、自力で何とかする自助、親戚や知人などと助け合う共助が大切であり、特に自助が重要になります。たとえば、第4章で詳しく解説していますが、ペットとの同行・同伴避難時に適切に行動するためには確かな知識が必要です。車中を含む避難所生活においても、自助がきわめて重要です。発災後、おおむね3日もすればペット関連企業や動物保護・愛護団体などから支援が届きますが、エキゾチックペット用のフードや用品はほとんど含まれません。エキゾチックペットにおいては、犬や猫以上に事前準備が必須になるわけです。防災・減災の基本は知識を身につけることです。そのために、本書を十分に活用し、ぜひ大切な家族であるエキゾチックペットの命を助けられるようになっていただくことを願います」

【主要目次】
■第1章 エキゾチックペットの救命救急法
1 日常の注意点
2 救命の連鎖
3 救命救急法(心肺蘇生法)の基本
■第2章 救急疾患と日常の危機に対する応急処置
1 救急疾患
2 日常で遭遇する危機への応急処置
■第3章 エキゾチックペットの防災対策
1 地震への備えと発生時の対応
2 水害・台風への備えと発生時の対応
3 噴火への備えと発生時の対応
■第4章 エキゾチックペットの同行・同伴避難
1 日頃の備え
2 エキゾチックペットの避難用備蓄品
■付録 エキゾチックペットの同伴入院
■資料編/用語集/主要参考文献/「エキゾチックペットセーバープログラム」とは

図:項目ごとに「キーポイント」で要点を整理

図:エキゾチックペットの飼養や危機管理に関する気になる話題を「TOPIC」として紹介

【本書概要】
・書名:エキゾチックペットの命を守る本 もしもに備える救急ガイド
・著者:サニー カミヤ
・監修者:小沼 守
・発行:緑書房
・体裁:四六判248頁
・価格:2,750円 (本体2,500円)
・発売日:2024年5月10日
・ISBN978-4-89531-949-2

著者
サニー カミヤ(Sunny Kamiya)
一般社団法人日本国際動物救命救急協会代表理事/一般社団法人日本防災教育訓練センター代表理事
1962年福岡県生まれ。福岡市消防局のレスキュー隊小隊長を務めた後、国際緊急援助隊員、ニューヨーク州救急隊員として活動。人命救助者数は1,500名以上を数える。アメリカに22年在住し、現在はアメリカ国籍。2013年より再び活動拠点を日本に移し、リスク・危機管理、防災、防犯、各種テロ対策コンサルタントなどの活動を行う。さらには「助かる命を助けるために」をテーマに、ペットの救命救急法(ペットセーバープログラム)の講習を日本全国で展開。ペットの飼い主や消防士などに、日常事故や自然災害時における実践的な動物愛護と保護に向けた取り組み、および飼い主とペットの「生命・身体・財産・生活・自由」を守るための防災教育の普及活動を行っている。NHK「逆転人生」などメディア出演多数。著書に『ペットの命を守る本:もしもに備える救急ガイド』(緑書房)など。

監修者
小沼 守(Mamoru Onuma) 獣医師、博士(獣医学)
一般社団法人日本国際動物救命救急協会動物救護アドバイザー/大相模動物クリニック名誉院長/ペット健康まもるラボ主宰/千葉科学大学特担教授
1967年埼玉県生まれ。日本大学農獣医学部獣医学科を卒業し、1995年おぬま動物病院(現・大相模動物クリニック)開院。2011年日本大学大学院獣医学専攻修了。2017年から2024年まで千葉科学大学教授を務める。2021年エキゾチックペットセーバープログラムを構築。ペットの災害対策や危機管理、災害救助犬などの社会貢献活動、サプリメントなど機能性食品開発に向けた活動を行っている。東京農工大学非常勤講師、日本捜索救助犬協会顧問のほか、日本獣医エキゾチック動物学会、日本ペット栄養学会などで役員や委員を務める。『ペットの命を守る本:もしもに備える救急ガイド』(監修、緑書房)など著書多数。

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