絶滅危惧種アホウドリ 小笠原諸島・聟島でヒナ3羽が誕生(山階鳥類研究所)

聟島でヒナ3羽が誕生 過去最多

山階鳥類研究所は、小笠原諸島の聟島(むこじま)でアホウドリのヒナ3羽が誕生したことを発表しました。

写真:今シーズンに生まれたヒナ(2024年3月)

新繁殖地の形成にむけた活動

絶滅危惧種であるアホウドリは、鳥島(伊豆諸島)での保全活動により約8,600羽にまで個体数が回復しています。しかし、鳥島は火山島で繁殖地としては不安定なことから、聟島に新繁殖地を形成するための保全活動やモニタリングが行われています。

聟島での繁殖の軌跡

写真:アホウドリの成鳥5羽とヒナ2羽(2024年1月)

アホウドリの繁殖期は10月から翌年5月にかけてであり、1組で1羽のヒナを育てます。ヒナは巣立ちから3〜5年ほど経つと、巣立った場所に戻ってきて繁殖に参加します。

聟島では、2008年に移送された個体が野生の個体とペアになり、2016年に初めて卵の孵化に成功しました。2022年と2023年には2組が繁殖に成功し、2024年は過去最多の3組となりました。

同研究所によると、10組以上が安定して繁殖するようになれば、繁殖地として自立できると考えられているとのことです。

※同研究所ニュースリリースをもとに編集部まとめ。