動物業界のお仕事:畜産資材の営業職(日曹商事)

「いきもののわ」6月の特集では、いろいろな「動物業界のお仕事」を紹介していきます!

今回は、化学品の専門商社で畜産資材の営業をしている石原さんに、1日の業務や就職までの経緯、この仕事を目指す人へのアドバイスなどをお聞きしました!

写真:日曹商事の石原さん

私の担当業務は、家畜用の飼料添加物や資材に関する、輸入・輸出、仕入れ、技術営業などです。

外出する日の多くは、朝から夕方にかけて数件を訪問します。訪問先は、農場、飼料会社の研究所、獣医師の先生、コンサルタントの先生などさまざまです。訪問では、情報交換や商品の説明、それにともなう価格交渉などをします。また、夜はお客様との懇親会に参加することもあります。

海外出張では、海外の牧場を訪問して営業や研修をしたり、さまざまな工場を視察して管理体制をチェックしたりします。訪問先の地元料理を食べることも多く、その地域の歴史や文化を学ぶきっかけにもなります。

写真:海外出張はその地域のことを学ぶきっかけになる

自分が「この商品は現場で活躍できる!」と思った商品がヒットしたときに、一番やりがいを感じます!

当社は、専門的な知識と多角的な視線で畜産現場を捉えられる会社です。また、化学品の商社なので、畜産向けとして売られている商品のみに捉われずに、多くの商品を取り扱えます。さらには「仕入れ」から「技術営業」まで行うことで多くの経験を積めます。このようにして身につけた知識と経験をつかって見出した商品が、現場で活躍できたときには、喜びもひとしおです。

私の実家は農家ではないのですが、幼少期から動物が好きでした。家には犬や猫がいたほか、かつては地元の祭りなどで売られていたひよこを、立派な雄鶏に育てあげたこともあります。

大学では化学を専攻しました。しかし、生物を扱う仕事や、現場にかかわる仕事にも興味があったため、就職活動では「生物・現場・化学」のすべてに関係する仕事に就職したいと考えていました。

写真:現場にかかわる仕事であることが魅力のひとつ

学生時代は畜産の勉強はしていなかったのですが、就職してから多くの経験を積みました。

入社してから最初の4年間は、機能性添加剤の現場営業がメインでした。そこからアメリカの大型農場を視察したり、大型ファンの勉強をしたりしたことで、輸入する担当品目も徐々に増えていきました。5年目からは飼料会社の担当になり、原料添加剤の営業を経験しました。やがて輸出業務も担当するようになり、今では部署内のほとんどの業務にかかわっています。

写真:研修などを通して、取り扱う商品の知識をつける

畜産以外の分野にも共通することだとは思いますが、この仕事にたずさわる上では「課題を解決したい」「困っている人がいたらサポートしたい」という思いが大切です。

写真:課題を解決したい、という思いが大切

入社当初の私は、畜産の知識もなく、英語もまったくできませんでした。今でも仕事をしていて困難に直面することは多いのですが、「この科学技術や新しい知見をお客様に知ってほしい」「世界にはこのような課題解決のためのアプローチがあることを伝えたい」という思いで仕事に取り組んでいます。

この仕事では、畜産現場で活躍する多くの人に製品を提供できるので、「お客様と一緒に課題を乗り越えたい」と思える人は活躍できると思いますよ。

石原史隆(いしはら・ふみたか)
日曹商事株式会社 畜産資材課