動物業界のお仕事:牛の行動モニタリングシステムのIoTエンジニア(デザミス)

「いきもののわ」6月の特集では、いろいろな「動物業界のお仕事」を紹介していきます!

今回は、牛の行動をモニタリングするシステムのIoTエンジニアをしている吉岡さんに、1日の業務や就職までの経緯、この仕事を目指す人へのアドバイスなどをお聞きしました!

写真:デザミスの吉岡さん

私のおもな担当業務は、牛の行動をモニタリングする「U-motion®(ユーモーション)」システムの、ハードウェア類の動作を監視するシステムの運用保守、現場で発生したハードウェアやネットワークのトラブルの遠隔サポート、膨大なデータを分析するツールの開発などです。ほかにも、数か月に1度は牧場に出張して、現場での作業やお客様の対応をします。また、畜産関係者向けの業務サポートツール「U-motion Platform」の新規プロジェクトにも携わっており、畜産関連の企業に事業を説明することもあります。

1日の業務は日ごとに異なります。中長期で担当する新規プロジェクトや開発のほか、突発的に現場のサポート業務が発生することもあるため、出社してから業務を整理して、重要度の高い順に取り組んでいます。

ハードウェアやネットワークにトラブルはつきものなので、現場の同僚から緊急で連絡が入ることもありますが、そのときはお客様に快適にご利用いただけるように迅速に調査、解析をしています。

写真:牧場で使用する機器の内部を確認している様子

チームで連携して複雑なトラブルなどを解決できるように、毎日決まった時間にチームの情報共有の場を設けています。チーム全体での業務が円滑に進むようにしっかりとコミュニケーションを取ることを日頃から心がけています。

プロダクトの利便性を感じている声をお客様から聞けたときにやりがいを感じます。また、個人、チーム、部署、会社としてプロダクトの価値向上に貢献する方法を考え続ける企業文化があるので、周囲からも刺激を受けながら業務に従事しています。

おもに在宅や在社での仕事が多いのですが、現場でしか得られない情報も多くあるため、プロダクトにさらなる魅力を感じていただけるように、現場に赴いたときの肌感覚は大事にしています。

写真:農家とのコミュニケーションを大切にしているそう

大学を卒業した後は、別の会社で技術系のコンサルタント業務をしていました。しかし、幼いころから農業が身近だったことから「農業界を広く見渡せる仕事をしたい!」と思い立ち、今とは別の農業系ベンチャー企業に転職をして、「何でも屋」のような立ち回りをしていました。その会社の事業で2年間ほど酪農の現場を定期訪問する機会があり、畜産業界内のさまざまな課題を知るなかで、業界により貢献したいと考えるようになりました。

大学での専攻は化学系でしたが、キャリアを重ねるなかでシステム開発のノウハウを学習し実践することで経験を積みました。技術的な面で畜産業界に貢献したいと考えていたところ、知人から「面白い会社があるよ」と当社を勧められ、その事業内容や働く人について興味をもちました。入社前に、選考を兼ねて代表取締役やCTOと業界に関するディスカッションができたことも、入社を決意する決め手になりました。

一般的に、畜産業界にはあまり馴染みのない人も多いかもしれませんが、少しでも興味がある方は先入観をもたずに飛び込んでいただきたいです! 私は10年ほど農業業界にいますが、まだ知らないことだらけですし、業界全体を盛り上げる余地があると思っています。

当社は「データから世界の農業を変える」というミッションを掲げ、畜産業界にITで貢献したいと考えています。ITに限らず、畜産業界には皆さんの経験や専門性に合わせた貢献の仕方がきっとあると思います。牛にも、人にも、社会にも優しい畜産を、私たちと共に目指しましょう!

吉岡 章(よしおか・あきら)
デザミス株式会社 開発本部