書籍『生き物係のための淡水魚飼育ガイド』(著:渡辺昌和)発刊

緑書房では、このたび『生き物係のための淡水魚飼育ガイド』(著:渡辺昌和)を発刊しました。制作を担当した編集者より、本書のおすすめポイントを簡単に紹介します。

高校生物の先生が書いた、魚と飼育の入門書

本書は、学校で飼うことができる淡水魚を幅広く取り上げ、生徒や先生が楽しく、安全に飼育に取り組めるように、飼育に関わる知識やノウハウを幅広く、深く紹介した一冊です。中学・高校の生き物係、生物部の生徒・顧問、理科教員など、学校で魚の飼育に携わる方を想定した内容になっていますが、飼育レベルを上げたい愛好家の方にもおすすめです。

メダカ、金魚、熱帯魚、川魚といった幅広い魚種を取り上げます。学校で飼育しやすい種を中心に取り上げ、機材や道具についても容易に学校で使用できるものを紹介します。 著者は、高校生物の教員で、理科部生物班の顧問を務めています。理科の先生ならではの内容が多く盛り込まれており、いろいろな魚の生物学的特徴、人工授精の仕方、外来種問題と生態系保全の考え方、フィールドでの採集のコツなど、魚と飼育に関係する知識を深めることができます。

飼育レベルが一段上がる知識が満載

著者の淡水魚飼育歴は約50年。長い飼育経験にもとづいた、トラブル対策や失敗談、魚の特性を多数紹介します。初心者が陥りがちなことや事前に知っておいた方がよい知識を、魚の種類や資材、飼育スタイルなど、状況別に細かく解説しています。トラブルが起きがちな水槽への導入前後や、水換え、エサやり、混泳など、様々な場面を想定しています。

また、飼育に慣れてきた方のなかには、多様なエサや道具を使ってみたい、変わった魚を飼育してみたい、飼育数や水槽を増やしたいなどと考えている方も多いと思います。

本書は、ミジンコやゾウリムシなどの生きたエサの入手・培養方法、魚の生態を踏まえた繁殖や稚魚の育て方、釣った魚の安全な輸送方法、濾過装置などの機器のメンテナンス方法など、上達のための知識が充実しています。

本書を通じて、魚についての知識が深まり、飼育がより上達していただければうれしいです。

いろいろなエサ
タナゴの人工授精
熱帯魚ギャラリー

【主要目次】
第1章 飼育の準備
・水槽を選ぶ
・濾過器を選ぶ
・照明装置を選ぶ
・水槽台を選ぶ ほか

第2章 基礎知識と技術
・水槽の立ち上げ
・水槽に魚を入れる(導入する)
・日々のメンテナンス
・病気と対処
・機材のメンテナンス
・魚を見る 〜健康チェックと鑑賞、それぞれのポイント〜

第3章 購入した魚を飼う ~観賞魚の世界~
・メダカ
・金魚
・熱帯魚

第4章 魚を殖やす、稚魚を育てる
・産卵する環境、条件を把握する
・採集や学校などでのミニ事例集
・雌雄の見分け方
・稚魚を育てる

第5章 野外での採集と輸送
・地域ごとによく見られる魚と飼育ポイント
・採集の1週間前からはじめる水槽の準備
・採集地でのストックと輸送 ほか

付録① 水草水槽入門
付録② 自分の家に、温室(水槽部屋)をつくる
付録③ 水生植物の外来種問題

【著者】
渡辺昌和(わたなべ・まさかず)
京華中学・高等学校理科(生物)教諭、理科部生物班顧問。1965年生まれ、福島県郡山市出身。東京水産大学(現・東京海洋大学)水産学部卒業。小学校2年生のときに友人からもらったタモロコがきっかけで、日本産淡水魚の飼育にのめり込んだ。中学生のとき、学校に配布されたミヤコタナゴの飼育係として繁殖に携わった。大学ではカワムツ、ヌマムツの地域変異の研究をしながら日本全国の川を見て歩いた。現在、淡水魚の地域変異や日本の河川の記録と、自然環境を生物の視点で真剣に考えてくれる人材の育成に力を注ぐ。著書に、『淡水魚ガイドブック』(共著、永岡書店)、『図説 川と魚の博物誌』(河出書房新社)、『魚の目から見た越辺川』(共著、まつやま書房)、『めだかのぼうけん』(写真、ポプラ社)がある。

【本書概要】
・書名:生き物係のための淡水魚飼育ガイド
・著者:渡辺昌和
・発行:緑書房
・体裁:A5判 320頁
・定価:3,960円 (本体3,600円)
・発売日:2024年8月26日
・ISBN978-4-89531-988-1

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