初心者にもおすすめ! アクアリウムの主役たち

はじめに

アクアリウムショップには数多くの鑑賞魚が泳いでいます。
飼育書や雑誌、ネットなどで色々と調べて飼育したい魚を決めてから訪れるというのなら別ですが、特に予習もせずに行ってしまうと圧倒されることでしょう。

そこで、この記事では筆者おすすめの鑑賞魚を紹介したいと思います。

今回は一般的なコミュニティー水槽、いわゆる混泳に適した魚たちを取り上げます。
しっかりとしたショップで状態の良い魚を購入すれば、誰でも簡単に飼育できるでしょう。

おすすめの観賞魚

まずは、飼育するメインの魚を選びましょう。
おすすめは「エンゼルフィッシュ」をメインにして他の魚を合わせていくか、群泳を楽しむために「ラスボラ・エスペイ」を20〜30匹くらい飼育すると美しくなります。

「エンゼルフィッシュ」は輸入時の状態が悪いと飼育が難しくなりますが、ショップでしっかりトリートメントされた個体を購入すれば長く飼育を楽しめます。1匹飼育するだけでも存在感があるので、愛着がわきやすいおすすめの魚です。

エンゼルフィッシュ

「ラスボラ・エスペイ」は、飼育環境が良好であればあるほど、体色が揚がって美しくなります。どんどん美しくなっている魚を見るのはとても楽しく、「上手に飼育している」感覚が持てることでしょう。しかも安価で販売されているので、ある程度まとまった匹数を購入でき、最初に群泳させる魚としておすすめです。

ラスボラ・エスペイ

そして、上記のような魚種にあわせ、ワンポイントとして飼育すると楽しいのが「プラティ」やペタの仲間の「プラカット」です。

プラティ
プラカット

「プラティ」は丸みがあって可愛らしいく、水槽内のマスコット的存在になってくれるでしょう。

それと同じように「ベタ」もおすすめですが、多くの人が小さいケースで飼育する魚だと思っているようです。
オス同士は喧嘩をしてしまいを同じ水槽内で飼育できないためにそう思われているようですが、他の魚はあまり攻撃しないので、混泳することは可能です。
ヒレの長いベールテールの「ベタ」などを選択する方が多いですが、ヒレを他の魚に齧られてしまったり、水質が悪化すると溶けてしまったりもするので、比較的に飼育難易度が高くなります。

その点、プラカットは適度なヒレの長さで活発なため、初心者の方におすすめです。近年では様々な体色の品種が見られるので、飼育する品種選びの時点でもとても楽しいことでしょう。

最後は全ての混泳魚に合わせるのにおすすめの、「白コリ」と呼ばれるコリドラスの仲間、アルビノアエネウスです。

「白コリ」ことアルビノのコリドラス・アエネウス

泳ぐ魚だけだと水槽の底付近が寂しくなりがちですが、底棲性の魚がいるととても楽しくなります。また、全身真っ白でとても目立つ存在で可愛らしく、飼育者によってはコリドラスがメインの飼育魚に移行していくことも多いです。また、底に落ちてしまった餌を食べてくれるので、水槽の環境維持にも一役買ってくれます。

まとめ

ここで紹介した魚たちをしっかり飼育するには、60センチの水槽がおすすめです。手軽なために、30センチ程度の小型の水槽を選択する初心者の方が多いですが、メンテナンスが難しく、色々な魚種を楽しめません。
水量は多ければ多いほど安定して状態の良い環境をキープでき、初心者の人ほど設置可能な限り大きめの水槽を用意した方が良いと言えるでしょう。
ぜひ、60センチ以上の水槽からスタートして、数種類の魚の飼育をしていただきたいと考えます。

飼育環境を整え、楽しいアクアリウムライフを楽しみましょう。

【文・写真】
佐々木浩之(ささき・ひろゆき)
1973年生まれ。水辺の生物をメインテーマとしている写真家。飼育下、野生下にかかわらず、好奇心の赴くままに生きものの面白さや美しさを探求している。なかでもアクアリウムの写真に定評があり、鑑賞魚や水草などを状態よく育て、生きものが最も美しい、躍動感あふれる一瞬をとらえる撮影法は高い評価を得ている。幼少期から熱帯魚などに親しんできたベテラン飼育者でもあり、実践に基づいた飼育情報や生態写真を雑誌・書籍等で発表している。『エアプランツ アレンジ&ティランジア図鑑』『苔ボトル 育てる楽しむ癒しのコケ図鑑』(電波社)、『育てる楽しむ癒しの苔ボトル』『苔ボトル楽しく育てる癒しのコケ図鑑』『珍奇植物 ビザールプランツ完全図鑑』『はじめてのアクアリウム 熱帯魚の育て方と水草のレイアウト』『屋外で強く育てる! メダカの飼い方&原色図鑑』『ベタの飼い方&原色図鑑』(コスミック出版)、『部屋で楽しむテラリウム』(緑書房)など著書多数。