短い手足とずんぐりした体がとても可愛らしく、ペットとしても大人気のモルモット。そんなモルモット用のフードは数多くあります。
イースター株式会社でも、モルモット用フードとして「モルモットセレクションプロ」など、多数の製品を販売しています。
今回は、当社の製品に共通して取り入れられているフードへのこだわりの一部をご紹介します。
栄養バランスは何を基準に作るの?
当社のモルモット用フードは、基本的にアメリカのNRC(国家研究会議)が発行したモルモット用の栄養基準を基に配合設計しています。栄養基準を満たすように作ることはもちろんですが、どのような製品にするかによって強化配合する栄養素は異なります。
牧草の配合
モルモットは、乳歯から永久歯に生え変わると、生涯にわたり歯が伸び続けます。これを「常生歯」(じょうせいし)と呼び、一定の歯の長さを維持するためには、フード中の粗繊維含有量が一つの重要な要素となります。また、粗繊維含有量だけではなく、しっかりと噛んで食べることも重要です。さらに、牧草などの原材料に含まれる食物繊維は、腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう:腸内細菌のかたまり。腸内フローラ。)のご飯になったり、消化管の運動のサポートもするため、歯だけではなく健康な消化器の維持にも寄与します。
これらのことから、モルモット用フードを設計する際に重要視するポイントの一つに、牧草の配合量が挙げられます。多ければ多いほど食物繊維の含有量は上がりますが、一方で、成形性が悪くなる問題が生じます。そのため、大豆由来のおからやえん麦など、食物繊維を豊富に含む原材料を牧草とともに組み合わせて、食物繊維含有量や成形性を調整します。
ビタミンCの配合
モルモットの飼い主さんであれば、モルモットがビタミンCを体内で合成できないので、食事から摂る必要があることを知っているかもしれません。そのため、主食や牧草だけではなく、ビタミンCを含む生野菜やサプリメントなどを日常的に与えているのではないでしょうか?
ビタミンCは光や熱、酸化等による影響を受けやすい性質をもっています。
そのため、時間の経過とともに、主食に含まれているビタミンCの含有量が減少してしまわないか、心配になると思います。当社の製品では、熱にも強い特殊な「高機能ビタミンC」を使用しています。
さらに、NRCで推奨されている要求量ピッタリではなく、個々のモルモットの状態・体質等に合わせて、必要なビタミンCの量が増えてもフードから補給できるように、余裕を持った量を配合しています。
粒へのこだわり
上の写真はネコ用とモルモット用のフードを並べています。粒の大きさや形だけではなく、原材料の粗さが違うことがわかりますでしょうか?
粒の表面に見える細長いものは、牧草です。少しでもモルモットが咀嚼しながら食べることができて、消化器の健康を維持するために、牧草の大きさをある程度残しています。
さいごに
メーカーごとに、フードへのこだわりや配合設計の基準は異なりますが、普段目にするパッケージやウェブサイトなどから得られる情報は少ないかもしれません。
そのため、モルモットのフードを選ぶ際に、まずはパッケージに必ず記載されている保証成分や原材料を見ることをおすすめします。草食小動物であるモルモットに必要なたんぱく質や、粗繊維量は足りているのか、歯や消化器の健康維持のために、主原料に牧草が使用されているのかをチェックしてみましょう。
そして、一番大切なことは、モルモットがその食事を気に入ってくれるかどうかです。健康志向のフードでも、全く食べなかったり、嫌々食べているようであれば、他の候補を探してみた方が良いかもしれません。当社から販売している製品は、アニマル社員による味評価試験をクリアしていますが、個々のモルモットの好みは異なりますので、毎日の食事を楽しんで、おいしく食べてもらうためにも、定期的にお家のモルモットに味を聞いてみてくださいね。
いかがでしたでしょうか?
この記事をきっかけに、普段使用しているモルモットフードに少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。
[引用文献]
*¹:Nutrient Requirements of Laboratory Animals: Fourth Revised Edition, 1995. P.117
【執筆者】
イースター株式会社
イヌやネコだけではなく、ウサギ・モルモット・ハムスター・フェレットなど多くの動物種が食べるフードを製造しているペットフードメーカー。
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