世界を巡れ! お魚ハンター体験記【第7回】輸入金魚「オランダ」

みなさんこんにちは!

前回に引き続き輸入金魚のご紹介になります。
今回は、日本で人気急上昇中の輸入オランダを紹介します。

風船のような金魚

輸入オランダは血統だけでなく、温暖な環境で作出されるので丸い体型が特徴です。日本では、バルーンオランダとも呼ばれて流通しています。
近年、輸入オランダは品種改良により、美しい色彩や頭部の肉瘤が発達した優良個体が多く輸入されています。

ライオンヘッドパンダオランダ

現地で池上げ直後に購入した、漆黒が際立つライオンヘッドパンダオランダ

輸入オランダの中でも人気の高い白黒模様の品種です。体色の模様だけでなく、頭部や各ヒレに入る白黒の模様の有無により、個体のバリエーションが多く存在しています。

ライオンヘッドパンダオランダ白勝ち個体
ライオンヘッドパンダオランダ黒勝ち個体
ライオンヘッドパンダオランダ幼魚個体

ライオンヘッドトリカラーパンダオランダ

ライオンヘッドトリカラーパンダオランダ

白黒のパンダ模様に赤色が入る美しい品種です。
レッサーパンダとも呼ばれています。

ライオンヘッドレッドブラックオランダ

ライオンヘッドレッドブラックオランダ現地セレクト個体

頭部の肉瘤が真っ赤で、体色は真っ黒な美しい優良個体です。

ライオンヘッドレッドブラックオランダ幼魚個体

ライオンヘッドレッドタイガーオランダ

赤い体色に入った黒色の模様が虎柄に見える美しい品種です。今後の定期的な輸入が望まれます。

ライオンヘッドレッドタイガーオランダ

ライオンヘッドレッドキャリコオランダ

ライオンヘッドレッドキャリコオランダの現地セレクト個体

日本の東錦に近い色彩は、海外でキャリコと呼ばれ、赤、青、黒、白、墨色が混ざり合うアートカラーのような個体も多くいます。同じ模様がほぼ存在しないため、コレクタブルで、観賞価値が高い品種です。

ライオンヘッドオランダ現地ストック池の写真

広大な池にストックされているので、ヒレの曲がっている個体が少ないです。
現地は、1年を通して温暖な気候のため成長が早く、ヒレに対して体型が大きいのも特徴です。ショートテールと呼ばれる品種やバルーンと呼ばれる品種が代表的です。
輸入金魚は、水質や水温、太陽光の影響などで黒色が美しい品種が多くいます。

現地ファーム買付の様子

池上げされた金魚は、屋外や室内のストックケースに入ります。
屋外での選別は熱中症の危険もあり、ファームのオーナーより帽子をお借りしました。
屋内での選別は、高温多湿の環境と床が滑りやすい所もあるので注意をしながら選別します。

おわりに

前回紹介したランチュウには背びれがなく、ずんぐりした体形に見えますが、オランダには背びれがあり、皆さんが見慣れた金魚の体形だと思います。しかし、オランダは頭部の肉瘤が発達するので、見慣れない顔なのではないでしょうか。このように、体色だけではなく、姿形にも注目すると金魚がより魅力的に見えてくるのではないでしょうか?

【執筆】
榎本弘紀(えのもと・ひろのり)
株式会社ジャパンペットコミュニケーションズに所属。
幼少期より、お祭りの金魚すくいをきっかけに観賞魚の飼育を初め、熱帯魚の収集、飼育から繁殖まで、観賞魚の世界に惹きつけられる。現在、国内外で新たなお魚を追い求め、観賞魚の奥の深さ・面白さを、より多くの方にご提供できるよう、チャレンジを続けている。