動物業界のお仕事:動物用医薬品メーカーの営業・学術・マーケティング(アリスタヘルスアンドニュートリションサイエンス)

「いきもののわ」5月の特集では、いろいろな「動物業界のお仕事」を紹介していきます!

今回は、動物用医薬品メーカーの営業・学術・マーケティングを担当している近藤さんに、1日の業務や就職までの経緯、この仕事を目指す人へのアドバイスなどをお聞きしました!

アリスタヘルスアンドニュートリションサイエンスの近藤さん(下の列左)

私が所属する部署は、営業や学術、マーケティング、品質管理、開発、製造計画、出荷など、幅広い業務に関わっています。
主な仕事内容は、予算や販売計画を作成し、キャンペーンを含むマーケティング企画の実行、管理です。具体的には、製品の出荷準備や問合せ対応、品質情報報告書の作成が挙げられます。製造計画の立案から、原薬手配~出荷までのプロジェクト管理を行うため、サプライヤーや製造所との打合せをほぼ毎週実施しています。

ミーティング中の様子

内勤作業だけではなく、製造や品質試験の立ち合いや展示会等での情報収集など、外勤も多くあります。
サプリメントのリニューアル製品の処方、製造所の新規検討や、医薬品の安定性および効力試験を進める開発業務支援にも携わっています。

展示会での様子

獣医師やペットオーナー、畜産農家から「ありがとう。あなたのおかげで本当に助かったよ。この製品があって良かった。」と言われたときに、やりがいを感じます。業務の幅が広いため、畜産関係(牛、豚、鶏、水産)は特に継続して勉強中です。

以前、ミツバチ用医薬品の開発~発売まで関わったり、承継した畜産用医薬品の原薬手配~再発売までを担当することもありました。
海外を含む社内外の関係者とコミュニケーションを取りながらやり遂げた時には、大きなプロジェクトを進める醍醐味を味わいましたし、諦めず長期間がんばってきて良かったと感じました。また、自分がデザインした製品パッケージや広告を街で見かけたときにも、愛着を感じて嬉しく思えます。

小中学生の頃に飼っていた愛犬が、感染症や蛇による咬傷により、長寿を全うできませんでした。幼い頃より動物が好きだった事もあり、動物の命に関わる獣医師になろうと決めました。ちなみに、大学卒業後に飼った愛犬は、17才目前まで頑張ってくれましたが、亡くなる前の1年間は介護も経験しました。

愛犬のカイちゃん

大学の獣医学科を卒業後、小動物臨床医として勤務していた頃は、医薬品の添付文書をコレクションして趣味的に勉強していました。また、院内セミナーを開催する動物用医薬品メーカーの方々と接するうちに、一般企業でのお仕事にも興味が湧きました。開業する予定が無かった事から、臨床経験を活かせる動物用医薬品メーカーへの転職にチャレンジしました。

最初の転職では動物用医薬品メーカーへの転職は叶いませんでしたが、IT業界で動物病院向けの薬のデータベースに関わる業務を担当する事ができました。その後2回の転職を経て、企画、営業支援、学術およびマーケティング等の経験を積み、製品開発にも関わる事ができる現職に就きました。

自分がやりたかった職種以外でも、案外そちらの方が楽しく適性があったという事もあります。巡ってきたチャンスは積極的に掴んで、新しい事にも挑戦する事をお勧めします。また、仕事のみならず興味がある事を勉強したり、アンテナを張って情報収集をすると、人生が豊かになると思います。
動物に関わることのできるお仕事は、臨床以外にもたくさんあります。参考になれば嬉しいです。

近藤久美子(こんどう・くみこ)
アリスタヘルスアンドニュートリションサイエンス株式会社 ヘルスケアグループ
ホームページ:https://ahns.arysta-hns.jp/