世界を巡れ! お魚ハンター体験記【第8回】ワイルドフィッシュ「プレコ」~ブラジル・ベレン編~

今回は、熱帯魚の宝庫であるブラジルの北東部にあるパラー州の州都ベレンに訪問した際のプレコ買付を紹介します。

美しい模様で惹きつける「プレコ」

観賞魚の中でも人気の高いプレコは、色彩や体型、地域間でのバリエーションにより魅力的な個体が多く、愛好家を魅了します。輸出拠点であるベレンにはシングー川やタパジョス川、トカンチンス川、アラグアイア川などがあるため、美しいプレコが多く集まります。

スカーレットトリムプレコ(トカンチンス産)

現地にて買付けをしたプレコ

鮮やかな赤いヒレと、赤茶色の体色が美しいのが特徴です。産地によって、体色や模様にバリエーションがあります。

ウルトラスカーレットトリムプレコ(サンフェリックス産)

赤色のヒレを持ち、体色や模様のバリエーションが多いことから、コレクション性の高い人気トリム系プレコです。現地では、背ビレ、尾ビレ、胸ビレ、尻ビレ、脂ビレの7つのヒレが赤い個体を7ポインターと呼んでいます。

ゴールドラインロイヤルプレコ(アラグアイア産)

鮮やかな金色と黒色のラインが美しい人気個体です。頬や胸ビレから伸びる硬いトゲも魅力の一つです。
成長が遅いため、サイズが大きくなるにつれ高価になります。

ゴールドエッジマグナムプレコ(シングー産)

ヒレに入るゴールドオレンジ色、黒地の体色に網目状(写真右の個体)や斑点状(写真左の個体)の模様が入り、派手な色彩が人気の個体です。

オレンジコクリオドンプレコ(ベレン産)

オレンジの体色に黒色のスポット入る美しい個体です。近年は入荷が少ない珍しいプレコです。

オレンジフィンブラックカイザープレコ(シングー産)

尾ビレと背ビレのオレンジの縁取りと、ブラックグリーンの体色が美しい個体です。
幼魚はコンスタントに輸入されますが、写真のような大型個体の入荷は珍しいです。

メガクラウンゼブラプレコ(ベレン産)

数年前にベレン輸出業者のストック水槽より数匹を選別しました。白色と黒色の模様が美しい品種です。
近年、国内外で美しいブリード個体が多く流通しています。

今後入荷が期待されるプレコ

イエローフィンアリゲーターパナクエプレコ(タパジョス産)

個体オリジナルの黄色や黒色の色彩が美しいです。
流通の少なさからも愛好家の間で高い人気があります。

おわりに

プレコは、熱帯魚の中でも種類が多く、吸盤状の口で水槽や流木の苔を食べる姿が魅力的です。体のサイズも大きいものから小さいものまでいて、飼育もそれほど難しくはありません。
みなさんも、プレコの可愛らしい一面を見てみてはいかがでしょうか?

【執筆】
榎本弘紀(えのもと・ひろのり)
株式会社ジャパンペットコミュニケーションズに所属。
幼少期より、お祭りの金魚すくいをきっかけに観賞魚の飼育を初め、熱帯魚の収集、飼育から繁殖まで、観賞魚の世界に惹きつけられる。現在、国内外で新たなお魚を追い求め、観賞魚の奥の深さ・面白さを、より多くの方にご提供できるよう、チャレンジを続けている。