動物業界のお仕事:ペットフードメーカーの研究開発職(ペットライン)

「いきもののわ」5月の特集では、いろいろな「動物業界のお仕事」を紹介していきます!

今回は、ペットフードメーカーで研究開発を担当している赤羽根さんに、1日の業務や就職までの経緯、この仕事を目指す人へのアドバイスなどをお聞きしました!

ペットラインで研究開発を担当している赤羽根さん

研究開発センターでフードの設計や評価を行いつつ、獣医師として飼育している動物たちの健康管理を行っています。

フードの設計・開発はパソコンを用いた作業が多く、試作したフードを動物たちに与えて得られた試験データの整理や解析などを行っています。また、新製品の規格を考えるために、最新の論文や書籍を用いた情報収集も随時行っています。その他にも、社内勉強会の資料作成や、進行中のプロジェクトに関する他部署との打ち合わせなどなど、設計・開発以外の業務を行う日も多くあります。

そして、これらの業務をしつつ、飼育している動物の中で体調不良の子が見つかった際には、必要に応じて検査や治療を行います。稀ではありますが、緊急度や重症度の高い疾患が見つかった場合、その日の業務の予定を変更して緊急手術を実施することもあります。

飼育している動物の健康管理も大切な仕事

私の所属しているチームでは、疾患を持った動物たちのためのフード(=療法食)を設計・開発しております。

動物の身体の仕組みや様々な疾患の病態を理解し、その知識・知見を活かしながら動物の健康維持に最大限に配慮したフードを設計できることが、最大のやりがい・魅力だと感じています。大きな責任をともなう業務である反面、自身の設計したフードが販売されることは、達成感も非常に大きいです。また、獣医師として、フード開発に協力してくれる動物たちの健康管理を担うことにもやりがいを感じています。

実家や親戚の家に犬や猫がいるのが当たり前の環境で育ったため、小さなころから動物が好きでした。幼稚園の卒園アルバムで「将来は動物のお医者さんになる」と書いており、その頃からすでに動物に関わる職業を意識していたようです。獣医学部を卒業後、動物の身体のことをさらに深く知るために大学院に進学し、犬・猫の心臓病や腎臓病の研究をしました。大学院を修了した後は、一般の動物病院で診療を行ったり、大学教員として教育や研究に従事したりしていました。しかし、犬・猫の健康を、栄養学を介して支えたいという思いが強くなり、ペットフードメーカーへの就職を考えるようになりました。

設計・開発のための打合せの様子

ペットフードメーカーへの転職を考え始めた当時、最初に見つけたのが当社の獣医師の求人でした。選考が進む中で、当社の目指す将来像や就職した際に自身が担うことになる役割を聞き、ここなら獣医師としての知識や経験を最大限に活かしながら動物の健康に貢献できると強く感じるようになりました。最終面談前には、ホームページを文字通り、隅から隅まで見尽くして企業の全体像をできる限り把握・理解し、そこに対して自身の知識や経験がどのように活かせるのかを徹底的に言語化しました。結果論ではありますが、企業から求められている能力と自身の知識・経験が一致していたと感じています。

当社の研究開発センターには、農学や獣医学、薬学など、様々な背景知識を持った社員が多く在籍しています。ときには各々の知識や経験を活かしつつ、協力しながらフードの設計・開発を進めています。いつどこで自分の知識や経験が生きるかわからないため、興味をもった分野を積極的に学ぶ姿勢を継続してみてください。もちろん、動物が好き・動物の健康に興味があるということも重要な要素だと思います。ですが、それ以上に「多様な経歴・背景を持つ人たちの意見や考え方を尊重し、お互いにリスペクトし合いながら業務に取り組むこと」が非常に重要ですので、この気持ちを胸に研究開発職を目指してください。

様々な知識や経験が活きているという

赤羽根 僚太(あかばね・りょうた)
ペットライン株式会社 ビジネスクリエイト本部 研究開発センター
ホームページ:https://www.petline.co.jp/