フクロモモンガ飼育の基本 コミュニケーションや食事について

滑空するための飛膜、クリっとした大きな目、ベタ慣れする愛くるしさ。フクロモモンガとの暮らしにはいくつもの魅力があります。
今回は、そんなフクロモモンガの基本的な生態から、コミュニケーションの取り方や食事について紹介します。

フクロモモンガの基本的な情報

フクロモモンガは、オーストラリアなどの熱帯雨林に生息し、木の上で生活をする雑食性の有袋類(カンガルーなどの仲間)です。夜行性で、1頭のオスと複数のメスと子どもの群れで生活します。木々を滑空しながらエサを探し、地面に降り立つことはほとんどありません。
体長は約18センチメートルで、体長とほとんど同じ長さの尻尾を持ちます。体重は100~150グラムほどで、寿命はおよそ8年といわれています。
フクロモモンガが快適に過ごせる気温は、23~27度です。急激な温度変化には強くないので、部屋の温度は一定に保ってあげましょう。

高い社会性を持つので、必ずコミュニケーションを取るようにしてください。ふれ合いが少ないとストレスで自咬症を起こすことがあるため、複数飼育もおすすめです。
ケージ内には、床材、エサ入れのほか、隠れる場所、枝、給水器などがあるといいでしょう。

画像1.フクロモモンガ飼育の一例

コミュニケーションの取り方

警戒心が強いので、数カ月~1年ほどの時間をかけて慣らす必要があります。慣らす手順は以下の通りです。

① 飼い主の匂いがついた巾着などを隠れ家としてケージに入れ、匂いを覚えてもらう
② 巾着ごと首から下げて飼い主を覚えてもらう
③ 慣れてきたら少しずつスキンシップをする

画像2.飼い主の匂いを覚えてもらい、安心してもらうことが大切

フクロモモンガの食事について

野生下では、樹液・花粉・果物・昆虫などを食べる特徴的な食性です。
特に糖分を好む傾向が強く、飼育下では栄養バランスを保つことが難しいので、バランスの取れた総合栄養食がおすすめです。

画像3.ペレットをつかんで食べるフクロモモンガ

餌の与え方について

「ひかりモモン(キョーリン)」の場合、体重の5~10パーセント(体重100グラムなら5~10グラム)を目安に、1日1回、夕方か夜に与えてください。与えすぎは肥満の原因になります。

画像4.ひかりモモン(キョーリン)

そのまま与えることもできますが、幼体の時期や食べ飽きた様子のときは水で適度にふやかして与えるようにしてください。食べ残したフードは早めに取り出しましょう。毎日新鮮な水も切らさないよう注意が必要です。
フードを切り替えるときは、新しいフードを混ぜながら徐々に行ってください。

おわりに

愛らしい見た目のフクロモモンガですが、繊細な一面がある動物です。夜行性で警戒心が強いため、日中は静かな環境を整え、少しずつ時間をかけて慣らしていくことが大切です。食事や温度管理、スキンシップを通して信頼関係を築くことで、長く健康に過ごす姿を楽しむことができるでしょう。
活動時間や独特の鳴き声など、少し個性的な部分もありますが、それも含めて愛情をもって接すれば、かけがえのない家族の一員となってくれます。

※もっと詳しく知りたい方はこちらから!
https://www.kyorin-net.co.jp/animal/an11.html

【執筆】
株式会社 キョーリン
魚類を中心に、両生類・爬虫類、小型動物、鳥類など多くの動物種が食べるフードを製造しているペットフードメーカー。
HP:https://www.kyorin-net.co.jp/
Instagram:@kyorin_hikari