書籍『鯨類の骨学』

緑書房は『鯨類の骨学』(著:植草康浩、一島啓人、伊藤春香、植田啓一)を発売中です。

豊富なビジュアルで鯨類の骨格の面白さに迫る!

この本は、鯨類の骨格の特徴について、豊富なビジュアルとともに詳細に解説した国内初の一冊です。日本における鯨類の解剖学・進化学・獣医学分野のエキスパートが執筆にあたり、ほかの哺乳類にくらべて変異の大きい頭の骨を中心に、鯨類の骨格の特徴を詳しく紹介しています。
大きく見やすい図やイラスト、さまざまな角度で撮影した写真により、視覚的に理解でき、鯨類の進化や歴史についてもわかりやすくまとめられています。
付録では、これらの動物についてより専門的に学ぶ人向けに、骨標本作製法や基本的な骨の測定プロトコール、画像検査所見など、骨を観察する際に役立つ情報も掲載しています。

【登場する鯨類】
バンドウイルカ、マイルカ、イシイルカ、マダライルカ、シワハイルカ、スジイルカ、ネズミイルカ、スナメリ、シロイルカ、コブハクジラ、オウギハクジラ、アカボウクジラ、コマッコウ、オガワコマッコウ、ミンククジラ、ザトウクジラ、ナガスクジラなど

【主要目次】
・序章 総論
クジラの分類/方向を表す用語/骨の名称/頭の骨の定義の多様性/骨格/頭の骨の空間/骨の肉眼的構造/クジラの骨の特徴/骨の組織構造/骨膜と骨内膜/関節
・第1章 頭の骨
頭の骨/頭蓋底/外頭蓋底/クジラの外頭蓋底/耳の骨/耳周骨/鼓室胞/舌骨/吻の骨/脳函を構成する骨/篩骨/蝶形骨/頬骨と涙骨/下顎骨/歯/ヒゲ板
・第2章 体幹の骨
椎骨と脊柱/胸郭/前肢骨/後肢骨
・第3章 進化
クジラの歴史/原始クジラ/ハクジラとヒゲクジラ/原始クジラと現生クジラをつなぐ
・第4章 ハクジラの発声メカニズムに関する解剖学的特徴
発声メカニズム仮説/鼻嚢/鼻部の筋のはたらき/左右相称性/神経支配について/音の受信
・第5章 骨標本作製法
長期間放置法/加熱法/薬品使用法(酵素法)/生物使用法(カツオブシムシ法)/固定標本から骨標本を作製する方法
・付録1 骨の計測
骨の測定の問題点/マイルカ科の主な基準点/ヒゲクジラの主な基準点/沖縄美ら島財団でのアカボウクジラ科の測定基準/沖縄美ら島財団でのコマッコウ科の測定基準
・付録2 画像検査
X線検査/コンピュータ断層撮影/超音波検査
内視鏡検査/その他の検査

【著者】
植草康浩(うえくさ・やすひろ)
千葉大学大学院医学研究院博士課程修了、大阪大学大学院歯学研究科博士課程修了。博士(医学)、博士(歯学)。医師、歯科医師。日本耳鼻咽喉科学会認定専門医。医療法人社団千秋双葉会理事、国立国際医療研究センター病院耳鼻咽喉科非常勤医師、鶴見大学歯学部非常勤講師。耳鼻咽喉科診療に携わるかたわら、鯨類解剖学の研究に従事。また、沖縄美ら海水族館をはじめとする各水族館とともにイルカの新規治療法の開発に取り組んでいる。

一島啓人(いちしま・ひろと)
オタゴ大学大学院地質学研究科博士課程修了。Ph.D. 福井県立恐竜博物館総括研究員。専門は海生哺乳類(とくに鯨類)の古生物学。化石を主な研究対象とし、形態(骨学)を軸にハクジラとヒゲクジラの進化を扱う。ネズミイルカ類の研究を通して、哺乳類ではまれな進化様式である「プロジェネシス型幼形進化」仮説を提唱。主な著書に『イルカ・クジラ学~イルカとクジラの謎に挑む~』、『鯨類学』(いずれも分担執筆、東海大学出版会)がある。

伊藤春香(いとう・はるか)
東京大学大学院農学生命科学研究科博士後期課程修了。博士(農学)。国立研究開発法人水産研究・教育機構中央水産研究所支援研究員。専門は鯨類肉眼解剖学。

植田啓一(うえだ・けいいち)
酪農学園大学酪農学部獣医学科卒業。博士(獣医学)。獣医師。一般財団法人沖縄美ら島財団総合研究センター動物研究室長、上席研究員。専門は小型歯鯨類の臨床獣医学。イルカの人工尾鰭を世界で初めて開発。

※略歴は出版時の情報です。

【本書概要】
・書名:鯨類の骨学
・著者:植草康浩、一島啓人、伊藤春香、植田啓一
・発行:緑書房
・体裁:A4判 152頁
・価格:6,600円(本体6,000円)
・ISBN978-4-89531-365-0

■お問い合わせ先
株式会社 緑書房 販売部
〒103-0004 東京都中央区東日本橋3-4-14
TEL:03-6833-0560
https://www.midorishobo.co.jp