フォトエッセイ 猫とのほほん日和【第11回】小豆島の「にゃん神様」

僕の両親は小豆島の出身で、僕もそこで幼少期を過ごしました。父の実家のある長浜という地域は、観光客はあまり足を運ばないものの、のどかで良い場所です。長浜の海は一面が青いのですよ。

長浜にも猫がいます。あまり知られていないのですが、猫とゆかりがある地域だと思っています。なんと「CAT横断します」という看板もありました!

僕は前々から、小豆島の他の地域の人や、島外の人にも、ぜひ長浜に来てほしいと思っていました。そしてついに、今年のゴールデンウィークに長浜にある長勝寺で、島に縁のあるクリエイター何人かと「にゃん神様」展というイベントを開催しました。長勝寺は、忠臣蔵で有名な大石内蔵助と縁がある寺であり、内蔵助が愛用していたとされる茶釜や屏風が残されています。なお、小豆島に実際に「にゃん神様」の言い伝えがあるわけではないのですが、長浜には猫とゆかりの場所も多いので、猫にまつわる言い伝えがあればいいなと思って名づけました。

小豆島への帰省

さあ、帰ってきました。この時期の晴れた日に小豆島を訪れると、青空が広がった清々しい景色に出会えます。こうした青空に迎えられたときには、僕は大抵、手を挙げて立ち猫ポーズ(屈伸)を決めます。

帰省すると、猫ちゃんたちもお迎えに来てくれます。

小豆島にある『小豆島石の絵手紙』という作品の上にいる猫も、ちらりとご紹介! ゆっくりとお休みしているので、そっとしておきましょう!

こちらの写真も、小豆島の猫です。団子のように連なっていてかわいいですね。また、会いに行きたいです。

小豆島といえば、小説『二十四の瞳』の作者の故郷であり、本作品の映画の舞台にもなっています。平和の群像と一緒に猫ちゃんもパチリ。

昔は父の実家でも猫を飼っていたことを、5年ほど前に聞きました。その猫ちゃんはよくいたずらをしていたそうです。いたずらについて話すよりも、可愛さや性格を褒めてあげてほしいと思います。

そんなこんなで、小豆島にも猫がいます。そして僕は、猫を通じて自分のルーツに触れながらも、「にゃん神様」展の準備を頑張るのでありました。

【文・写真】
山本正義(やまもと・まさよし)
大阪在住の猫写真家。猫が立ち上がる瞬間をとらえた「立ち猫」写真でブレーク。ちょっぴり力の抜けた「脱力猫」、凄い勢いの「猫来る」、気の抜けた感じの「舌猫(ぺろにゃん)」、猫が集団で行進する「ずんずんずん」など、愛らしい猫たちをとらえた写真とユニークなワードセンスがSNSなどで注目を集めている。写真展、メディア出演、講演などで各地を飛び回る日々。ほか『立ち猫カレンダー2024』(緑書房)、写真集『立ち猫』(ナツメ社)など。
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