フォトエッセイ 猫とのほほん日和【第16回】猫の視線を感じる!?

こんにちは。朝晩が肌寒い季節になってきました。
街中を歩いていると、猫ちゃんとタイミングよくバッタリ出会うことがあります。大抵は警戒されて、去っていかれるのがオチですが…。
朝っぱらからカメラをぶら下げて猫を撮影していると、どうしても周りからは不思議に(怪しく?)見えるようですが、町中にいる猫は何か自分と重なる部分がある気がして、すごく近しい感じがします。
ぶらぶらしていると、猫の視線を感じる時があります。

びびび!!
猫レーダー発動!!(笑)

めちゃ見ていますね。

こういう眼に出会った時に、僕はどうするかというと……声をかけるか、間合いを見ながらその場で姿勢を低くして様子を見ます。
すると、こちらに興味を持ってくれたのか、トコトコとこちらに向かってきてくれました。写真でみると、ど真ん中にピシッと斜めに、表情と目線もバッチリですね。

気がつくと、日陰でくつろいでいました。猫ちゃんらしいですね。
またお会いしましょう。またね!

更にトコトコ歩いていると、路地にさしかかりました。

視線を感じる!!

なんとなく、なんだろうか。
んんっ、上をみると、なんと……

ああ、上から視線を感じる……かなりこちらを気にしている!!

上からマリ○、そんな歌があったような♪
脳裏には、そのBGMが!! そんなことはどうでもいい(笑)。
気がつくと、兄弟かお友達も一緒にこちらを見てる。

下から、おーい!僕が手を振る!!
猫ちゃんたちは、【ニャーン】と応えてくれますが、何してんだろと思っているのか、興味深そうにこちらを見ています。
そうだ、この猫ちゃんたちの夜の様子を見に来よう! 夜は写真には向いてないかもしれないですが、猫は基本夜行性ですし、面白いかも……。

その晩、その場所に行くと視線が……。
やはりまた違う猫ちゃんなのか、こちらを見ています。
猫ちゃんの視線というのは、写真上ではカメラ目線ですが、実際の僕からすれば間合いや距離の確認です。
つぶらな、何かを言いたそうな眼で猫ちゃんがずっとこちらを見ています。
こうして静かな時間が過ぎ去るのでした。
猫の視線を第六感でキャッチできれば、もっと楽しく、もっと新しい写真が撮れるんじゃないかと思うのです。
実際に猫の視線を感じるのか、試してみるのもいいのではないでしょうか。

【文・写真】
山本正義(やまもと・まさよし)
大阪在住の猫写真家。猫が立ち上がる瞬間をとらえた「立ち猫」写真でブレーク。ちょっぴり力の抜けた「脱力猫」、凄い勢いの「猫来る」、気の抜けた感じの「舌猫(ぺろにゃん)」、猫が集団で行進する「ずんずんずん」など、愛らしい猫たちをとらえた写真とユニークなワードセンスがSNSなどで注目を集めている。写真展、メディア出演、講演などで各地を飛び回る日々。写真集に『立ち猫』(ナツメ社)。また、『立ち猫カレンダー2024』(緑書房)も好評発売中。
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