犬や猫に綺麗な水を飲んでほしい! をコンセプトに開発されたペット用フィルター式給水器「ピュアクリスタル」シリーズや、2024年に販売開始されたペット家電「PURE」シリーズなど、さまざまな製品を生み出しているペット用品メーカーのジェックス。
これらの製品に込められた工夫や想いについて、ジェックスのマーケティング部 土井さんと、商品開発部 水谷さん、深津さんにお聞きしました!
アクアリウム製品の技術を活かした給水器 「ピュアクリスタル」シリーズ
猫用の製品を取り扱うようになったきっかけを教えてください!
当社は2009年に犬・猫用の事業に本格的に参入しました。もともとアクアリムの商品をメインに展開しており、水質の研究やフィルターの開発をしておりました。その知見を活かし、犬や猫にたくさんキレイな水を飲んでほしいという思いから、ペット用フィルター式給水器を開発しました。
当時、ペット用給水器は海外製のものが多かったのですが、国内にも約1億円規模の市場があると言われていました。なお、2024年現在のペット用給水器の市場規模は2009年当時の20倍ほどにまで成長しており、そのシェアの9割以上を当社製品が占めています。
現在は、主力製品であるフィルター式給水器の「ピュアクリスタル」シリーズのほか、ペット用自動給餌器やペットキャリー、そして2024年6月から販売を開始したペット家電シリーズ「PURE」シリーズなど、幅広いラインナップをそろえています。
給水器の開発で、工夫していることを教えてください!
ピュアクリスタルは、「すべての犬・猫に理想の給水環境を」を目標に掲げたブランドです。
開発の際には、犬・猫に合わせた飲み口にすることや、掃除をしやすい構造にすることに気をつけています。
ほかにも、猫のいたずら対策には特に工夫をしています。例えば、ファンネル(受け皿部分)をくるくると回して取り外そうとする猫への対策として、ファンネルをネジ式やロック式にしています。また、猫が爪をひっかけられる隙間や溝も、なるべく作らないようにしています。
交換用フィルターにも工夫があり、ふわふわとした不織布を大きなサイズで隙間なく使用することで、食べかすなどを逃さずキャッチできるようになっています。日々研究を重ね、リニューアルのたびに改良しています。
改良の際には、飼い主さんの声を製品に取り入れることもあります。一例としては、展示会でのアンケートなどを通して、「猫飼育者の過半数は、住居内の複数箇所に給水器を置いている」ということがわかりました。その中で、「猫を多頭飼いしており、飲み口の好みがそれぞれ異なる」という声から生まれたのが、水の流れを変えて猫の好みに合わせられるアタッチメント「ピュアクリスタルPlus」です。
ピュアクリスタルシリーズの給水器について、ユーザーの声を教えてください!
猫は流れる水に興味をもつため、「水をよく飲んでくれるようになった!」という声を多くいただきます。第三者機関での検証で通常のお皿からピュアクリスタルに切り替えることで、飲水量が30パーセントほど上がることが分かっています。また、「ピュアクリスタルを設置したことで、蛇口にいたずらをしなくなった」「加齢で猫の目が悪くなってしまったが、流水音で水の場所がわかるようになった」という反響もいただいています。
飼い主さんと猫の時間を大切にしたい! ペット家電「PURE」シリーズ
2024年6月に新発売された「PURE」シリーズについて教えてください!
2024年に発売されたペット家電のブランド「PURE」には、現在4種類の製品があります。すべてスマート家電で、ひとつのアプリで操作・管理ができます。
1つ目は、猫用自動トイレ「PURE CAT AUTO TOILET」です。最大の特徴は、排泄物の塊だけを下のトレーに落とすお掃除機能です。トレーは最長2週間の使用ができる大容量であり、トレーを開けたときに臭いを封じ込める工夫がされています。トレーには消臭機能がついており、中のドラムも取り外して丸洗いできるので、いつでも清潔に使用できます。各種センサーにより、猫が体重をかけたときやトレーが開いているときにはドラムが回らない安心設計になっています。
2つ目は、自動給餌器「PURE PET AUTO FEEDER」です。この製品は、2.5リットルの容量がありながらコンパクトな点にこだわりがあります。また、蓋のパッキンでロックをかけられるいたずら防止機能を搭載しています。フードの取り出し口にはステンレスのトレーがついており、取り外して洗うことができます。また、停電やアダプターの抜けなどでコンセントからの給電が途絶えたときのために、内蔵電池でも作動する設計にしています。
3つ目のペット用ドライヤーハウス「PURE PET DRYER HOUSE」は、細かく設定ができる点がこだわりです。タイマーは1分刻み、温度は1度刻みで設定ができ、風量も6段階で調節することが可能です。万が一、ハウス内の温度が上昇しすぎてしまったときには、自動で温度を下げ、ペットが外に出られるように扉が開く安全設計です。ハウス内で舞った毛がフィルターに集まるのも、特徴のひとつです。このハウスがあれば、ドライヤーが嫌いな猫であっても無理やり押さえつけられることがなくなるため、ストレスを軽減できるようにと考えられています。
4つ目の製品が、ペット用集毛・消臭機「PURE PET AIR CLEANER」です。側面2か所と背面3か所の吸い口が毛やほこりを吸引し、中のフィルターが臭いを吸着します。アプリのほかに天面のボタンでも操作できるのですが、猫が上に乗って誤操作しないようにチャイルドロックがついています。また、厚みのあるコードカバーで、電流から猫を守る工夫もしています。
温かみのあるナチュラルなインテリアやフローリング材が流行しているので、どの製品もグレージュをメインカラーにして、既存のインテリアと馴染みやすいデザインにしています。
共働き世帯の増加などで、ペットのお留守番に不安を覚える方が多くなったこともあり、ペット家電の市場は日本でも急拡大しています。将来的には、このようなペット家電によるサポートで、ペットを飼育できるようになる家庭が増えたら良いなと考えています。
この記事の読者にメッセージをお願いします!
ご紹介した製品以外にも、当社では「ペットの健康を守りたい」「飼い主さんの日々の負担を減らしたい」という願いを込めた製品を幅広く展開しています。これからも飼い主さんがペットとの時間を大切にできるような商品開発をしていきますので、ぜひご期待ください。
これからも期待しています。ありがとうございました!
水谷綾(みずたに・あや)
深津明佳(ふかつ・さやか)
ジェックス株式会社 商品開発部
土井叶夢(どい・かなむ)
ジェックス株式会社 マーケティング部