緑書房では『教えて! クラゲのほんと 世界一のクラゲ水族館が答える100の質問』(編著:鶴岡市立加茂水族館)を発刊しました。
「クラゲとなかよしになれるの?」
「Q:クラゲとなかよしになれるの?」
「A:クラゲには脳がないので、おそらく感情はないと思われます。話しかけても反応はありません。ただ、毎日愛情をもって飼育していると、すくすくと育っていくのを実感できます。なかよくなれると信じて、一方的な愛を注いでいます」
クラゲの展示種数「世界一」を誇る鶴岡市立加茂水族館のSNSでは、2020年1月20日から連日、クラゲに関する「Q&A」100問が投稿されました。
ふだん飼育員さんが子供たちにたずねられたり、水族館内のボックスで受け付けたりした質問をもとにしており、「飼育が難しいクラゲはいますか?」「クラゲに目はあるの?」といった専門的なものから、「クラゲとなかよしになれるの?」「クラゲは筋肉痛になるの?」といったユニークなものまで、内容は多岐にわたります。
飼育員さんがそれぞれに対しとても真摯に、そして愛をこめて回答したことで大きな話題を呼びました。
クラゲ愛があふれるQ&A
本書は、このクラゲに関する質問(全100問)をベースとして、大幅に解説・エピソードの追加を行い、一問一答形式でまとめたものです。
・クラゲはなんで透明なの?
・クラゲはなんでお盆に出るの?
・クラゲはどんな味?
素朴ながらも「確かになんで?」と思えるたくさんの疑問に対し、飼育員さんが楽しく&分かりやすく回答。文章はやわらかく明快ながらも、その端々からクラゲへの重い愛がひしひしと伝わってきます。
Q&Aの内容はクラゲの種類や生態だけでなく、毒、分布、歴史、アート、食用、環境問題や飼育方法、水族館の取り組み……などなど、とても幅広いので、クラゲに関して多角的に学べるのがポイントです。
クラゲの構造を反映したイラストや、角度までこだわった飼育員さんイチオシの写真も豊富に詰め込まれており、ぱらぱらとめくるだけでも楽しくなることまちがいなしです!
ディープに学べるコラム
加茂水族館は「世界一」のクラゲ種数を誇る水族館。
そんな加茂水族館の飼育員さんたちは、展示だけでなく世界各地へクラゲ採集に赴き、繁殖・研究活動を盛んに行っています。
そんな中で生まれた数々の裏話やおもしろいエピソードも、飼育員のみなさんに語りつくしていただき、コラムとしてまとめました。
・「近場の海でクラゲを採集していたら、館長が猛毒のクラゲに刺されて、倒れてしまった……」
・「みんなでクラゲをお寿司や寒天、ナタデココ風にして食べていたらニュースになった……」
他ではなかなか聞けないおもしろいエピソードだけではなく、貴重な飼育情報(希少種の繁殖、新種の発見、ノーベル賞受賞の下村脩博士のエピソードなど)も満載で、読み応えバツグンです。
コラムの執筆者は水族館の飼育員さんたちだけではありません。
クラゲ研究の第一線にいるたくさんの研究者の先生方にも、さまざまなトピックについて専門的に解説していただきました。
・クラゲのいる水にさわるだけでも痛いことがある!?
・クラゲは歴史的には何時代からクラゲって呼ばれていた?
・ミズクラゲをハッキングしてコントロールすることができる!?
内容には最新研究の成果もふくまれており、「クラゲのことならけっこう知ってるよ」というマニアックなクラゲファンや大人でも、きっと興味深く読むことができるはずです。
謎と発見の多いクラゲという生きもののおもしろさ、ぜひ本書で感じてみてください!
【主要目次】
クラゲ飼育員さんが答える 100の質問
Q01クラゲってなに?/Q02クラゲはプランクトンなの?/Q03クラゲはみんな毒をもっているの?/Q04クラゲはなんで毒をもっているの?/Q05クラゲの毒針はどこにあるの?…他全100問
コラム「もっと知りたい」
クラゲはなぜお盆に出るの?/クラゲはいつからクラゲって言うの?/飼育員の1日のスケジュール…他
クラゲ写真・解説
アカクラゲ/ミズクラゲ/カギノテクラゲ/フウセンクラゲモドキ/カツオノエボシ…他
ふろく
加茂水族館の周辺における月別クラゲ出現カレンダー
【編著者】
鶴岡市立加茂水族館(つるおかしりつかもすいぞくかん)
1930年に山形県水族館として設立した、山形県唯一の水族館(2024年現在)。1997年度には入館者数が過去最低の9万2183人となったが、サンゴ水槽にぐうぜん発生したサカサクラゲへの反応がよかったことをきっかけにクラゲに特化した展示をはじめ、2000年にクラゲの展示種類数が日本一、2005年に世界一となる。2014年には愛称「クラゲドリーム館」としてリニューアルオープンした。2024年現在、80種類前後のクラゲを展示している。クラゲの繁殖技術を活かし、大学や研究機関といっしょにさまざまな分野の研究を積極的におこなっている。2026年にはクラゲ展示室の拡大リニューアルを予定しており、クラゲの展示種類数100種をめざす。
※編著者の略歴は出版時の情報です。
【本書概要】
・書名:教えて! クラゲのほんと 世界一のクラゲ水族館が答える100の質問
・編著者:鶴岡市立加茂水族館
・発行:緑書房
・体裁:A5判184頁 カラー
・定価:本体2,400円(税別)
・発売日:2024年10月30日
・ISBN 978-4-86811-008-8
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