愛犬の等身大のかわいらしさを描くイラストレーター兼漫画家のさかぐちまやさん。描かれる「犬らしい」表情やしぐさ、行動は多くの共感を得ています。
そんなさかぐちまやさんに、漫画やイラストを描く時のこだわりや、犬との暮らしについてお聞きしました。
好きなことが自分を助けてくれた
さかぐちまやさんのプロフィールを教えてください!
イラストレーターとして活動しながら、Xに犬のエッセエイ漫画を投稿しています。2023年に、Xに投稿していた犬のエッセイ漫画をまとめた「“犬を揉む” -ぺちょら… ときどき帰宅拒否-」を出版しました。
今は私と夫、犬が2頭で暮らしています。
うちにいる犬は、もなかとキャラメルといいます。
もなかは、沖縄生まれの元保護犬です。犬種は雑種で、5歳の女の子です。
キャラメルも元保護犬で、2024年の2月にお迎えした雑種の男の子です。
2頭とも元気いっぱいな姿をXでよく拝見しています!
そんな愛犬たちのエッセイ漫画やイラストを描きはじめたきっかけは何ですか?
もなかがまだ子犬だった時代、元気いっぱいすぎたり、お世話がうまくいかず困っていました。
そんな時、起こったことを整理するために絵日記を描きはじめました。すると、「こんなことで悩んでいたのか」と客観的に見ることができるようになったんです。
日々の悩みを好きだったイラストで消化することで、その悩みが滑稽に見えるようになりました。
その絵日記をもともとやっていたXに載せてみたところ、多くの共感をいただき元気づけられました。
その後、次第にコマ割りをするようになり、現在のエッセイ漫画の形になりました。
「犬らしさ」はそのままに
描くうえで何か気を付けていることはありますか?
表情には気を付けていて、可愛いキャラクターにするために省かれそうな部分を、敢えて描くようにしています。
気の緩んだときのマズルのたるみや、興奮したときの目など、普通は省略してしまうところを拾って描くのがすごく好きで、犬本来の可愛さや魅力が出せるのではないかと思っています。
2頭の表情はユニークだなと思っていました!
それから、漫画のテンポ感も大切にしています。
それぞれの性格に合わせて読み方が変わるように、もなかならゆったりとしたコマ割りにして、元気いっぱいのキャラメルは1.5倍速で動いて見えるように工夫しています。
性格で分けているから、シーンを想像しやすくなっているのですね。
とても愛くるしい顔を見せてくれる2頭との出会いを教えてください!
私たち夫婦はどちらも犬が好きで、結婚当初から、いつかは犬と暮らしたいよね! と話をしていました。そして、お金や住む場所などの環境が整ったので、お迎えすることに決めました。
ペットショップやブリーダーからではなく保護犬に決めたのはなぜですか?
私の実家で飼っていた犬も元保護犬だったので、馴染みがあったというのがあります。
それと、雑種犬のまとまりのない感じが好きなので、保護犬に決めました。
昔は今ほど保護犬の認知度が高かったイメージはありませんが、昔から触れ合う機会があったのですね。
千葉県の譲渡会でもなかと出会い、成長して落ち着いてきたタイミングで2頭目を考えました。
里親募集でキャラメルを見つけ、一度もなかを連れて面会に行き、その時の様子から相性も問題のない範囲だろうと見込んで里親希望を出し、お迎えしました。
最初こそ戸惑っていましたが、時間が立つにつれてじゃれあうようになり、いい関係性が築けています。
2頭をお迎えするにあたって準備したことを教えてください!
まずは資金面です。
犬を育てるにはお金がかかりますし、責任をもって飼育するためにも大切なことです。
あとは、誤飲してしまいそうなものは置かないようにしたり、コンセントカバーを付けておくなど、一般的な準備をしました。
キャラメルを迎えたときは、もなかのときに出遅れてしまったペット保険やスクールをすぐはじめられるように準備しました。
先に住んでいたもなかにストレスが掛かりすぎないように、それぞれの時間を確保することも心がけて、無理に仲良くさせるのではなく、自然と仲良くなるのを待ちました。
犬も人と同じ
犬と暮らしていて大変だと感じたことを教えてください。
先ほどもお話ししましたが、もなかの子犬時代は大変でした。
子犬の育て方などの勉強もして、「がんばらなきゃ」という気持ちが先行してしまい、思うようにさせようとしすぎていました。きっともなかにはストレスを与えていたと思います。
現在は、特に大変なことはありませんし、一緒に暮らしやすいと思っています。
きっと、シニア期になると大変になるのだと思いますけど(笑)
では逆に、よかったことや嬉しかったことを教えてください!
大好きな犬と同じ空間にいられることが何よりも幸せです!
普段は何気なく通っていた道も、犬が真剣に冒険していると、気がつかなかった景色に気づくことができます。私たち夫婦は、あまり自分から人に話しかけないのですが、犬を飼っていたからこそ知り合えた人もいますし、何気ない日常が楽しくなりました。
日常を変えてくれることは魅力の1つですね! 他にはどんな魅力がありますか?
動物全般に当てはまることですが、お互いにコミュニケーションの取り方がわからないところからスタートし、徐々にわかり合えるようになることがすごく楽しいです。
犬はその中でも特殊だと思っていて、こちらが真剣に向き合おうとしたら歩み寄ってくれる気がします。きっと、向こうもこちらをよく観察して、探っているのだと思います。そこが犬の最大の魅力だと私は思います。
ありがとうございます。最後に、この記事の読者にメッセージをお願いします。
読んでいただきありがとうございました!
Xで投稿しているエッセイ漫画を楽しんで読んでいただけていたら何よりです。
これからも、ゆっくりかもしれませんがコツコツと更新していくので、読んでくださると嬉しいです。
せっかくキャラメルも来てくれたので、いつかキャラメルが登場する本も作成できたらいいなと、ゆるく思っています。
これからも応援よろしくお願いします。
ありがとうございました! これからの作品も楽しみにしています!
さかぐちまや
イラストレーター。漫画家。Xに投稿中の犬のエッセエイ漫画で人気を博す。著書に「“犬を揉む” -ぺちょら… ときどき帰宅拒否-」(KADOKAWA)。
X:@SAKAGUCHIMAYA