チャレンジしよう! 乗馬技能認定

馬にまたがり、悠々と障害物を乗り越え、野を駆け、山を駆ける乗馬。英国紳士やカウボーイ、観光牧場などでの体験乗馬、最近ではオリンピック競技のイメージもあると思います。
馬と心を通わし楽しむだけではなく、乗馬スキルを図る試験があることをご存知でしょうか?
この記事では、その「乗馬技能認定」についてご紹介します。

乗馬技能認定とは

公益社団法人全国乗馬倶楽部振興協会が定めた全国統一の基準に則り、乗馬技術を認定するものです。乗馬技能認定の目的は、乗馬を楽しんでいる方々にご自身の技術レベルを認識していただくことと、そのレベルに合った目標を設定するためのお手伝いをすることです。合格者に各級の認定カードを発行しています。

認定カードのサンプル

認定級

ブリティッシュ

一般的に、乗馬と聞いてイメージする騎乗方法です。
ブリティッシュ5~3級取得後、障害3~1級に進むコースと、馬場2~1級に進むコースがあります。受験の年齢制限はありません。

ウエスタン

アメリカのカウボーイが生活のために馬に乗っていたスタイルです。
ウエスタン5~1級があります。受験の年齢制限はありません。

エンデュランス

馬のマラソンとも呼ばれ、長距離を走行することを目的とした馬術です。
ブリティッシュ、またはウエスタン3級を取得した後に受験可能となり、エンデュランス3~1級があります。
馬場を出ての長距離騎乗となるため、満14歳以上が受験可能です。

ポニーライダー技能認定

中学生以下を対象とした認定級です。
子ども達が目標をもってポニーとふれあいながら心豊かに乗馬を楽しみ、心身の向上や馬の魅力・馬に対する理解を高めることを目的としています。

ポニーライダーは5~1級まであります。
ポニーとふれあうことに重きを置いているため「馬に触ることができる」、「にんじんを与えることできる」などの初歩的な試験内容からスタートし、ポニーに乗って一人で駈歩(かけあし)までできるようになることを目指します。不合格の項目があった場合も、後日同項目のみ再審査が可能です。

乗馬技能認定を受験するには

当協会に登録されている乗馬クラブか、地区会員が主催する競技会での受験が可能です。
乗馬クラブ会員ではないビジター利用者でも受験可能ですが、10鞍(回数)以上の騎乗経験を目安とした受験が推奨されています。
※開催概要は、各クラブ・競技会のホームページを参照してください。

試験は実技と学科で構成されており、乗馬技術はもちろんのこと、馬の特徴や生態を学ぶ必要もあります。動物をパートナーにするスポーツは少なく、よく理解して愛情を持って接することが大切です。

乗馬技能認定級を持っていると、旅行先で山、海、川など自然の中を馬と共に駆ける「トレッキング」などを行う際に、自分の経験・技術に合ったコースや馬とのマッチングが可能になります。

おわりに

馬とのふれあいや自然を楽しむだけでも、乗馬は十分に楽しむことができますが、持っている認定級によって幅広い乗馬体験ができるようになります。
目標を定めて乗馬に取り組み、乗馬の世界を広げるために、乗馬技能認定の受験を考えてみてはいかがでしょうか。

【執筆者】
全国乗馬倶楽部振興協会
乗馬クラブの施設整備や指導員の養成、適切な調教による馬作りを通して、誰もが安心して乗馬を楽しめるように、組織のネットワークを全国に拡大中。馬事振興及び乗馬普及を目的として、1991年3月に社団法人として設立。その後、2011年7月に内閣府より公益社団法人として認定される。
ホームページ:https://jouba.nrca.or.jp/