ペットの病気を防ぐために薬を飲ませたり、ワクチンを打ったことがある方も多いのではないでしょうか。
これは、牛・豚・鶏などの産業動物に対しても同じように行われており、動物の健康が守られることで、人々の安心や日々の食生活が支えられています。
ゾエティス・ジャパンは、社会を支える動物用医薬品の提供に加えて、アニマルセラピーや教育活動などを通じて「人と動物の絆」を広げてきました。
今回は、加藤 克利 社長にその取り組みや思いを伺いました。

動物用医薬品業界のリーディングカンパニー
―ゾエティス・ジャパンがどのような会社なのか教えてください。

ゾエティス・ジャパンは、動物用医薬品業界のグローバルリーダーであるゾエティス社の日本法人です。犬や猫といったコンパニオンアニマル(伴侶動物)から、牛・豚・鶏などの産業動物まで、幅広い対象の医薬品やワクチンの開発・製造・販売をしています。
さらに、動物用の遺伝子検査や診断サービスなどを提供することで、より健康で持続可能な動物医療・畜産業の実現に貢献しています。
―会社全体を通して、どのような理念のもとで活動をしていますか?

私たちは「世の中で最も信頼され、価値あるアニマルヘルスケア企業となる」ことをビジョンに掲げています。その実現のために常に革新を続けており、お客様への情熱と目的意識を持った社員とともに、動物医療の未来を築いています。
動物医療の進歩を通じて、人と動物が共に健やかに暮らせる社会を育んでいくことを目指し、日々の事業活動に取り組んでいます。
―コンパニオンアニマルの医薬品事業について、どのような思いで世の中に貢献していこうと考えていますか?

コンパニオンアニマルは大切な家族の一員であり、その健康を守ることは飼い主の心の安らぎや暮らしの豊かさにつながります。ゾエティスでは、犬用のノミ・マダニ駆除薬や、変形性関節症(OA)に伴う疼痛を緩和する注射薬など、革新的な医薬品を開発・提供してペットがより長く健やかに暮らせるよう支えています。

―ペットの身近な安全を支えているということですね。

私たちは単に治療の選択肢を広げることだけではなく、飼い主と動物が安心して共に過ごせる時間を増やし、飼い主の生活の質(QOL)の向上にも貢献していきます。
今後も獣医師や飼い主の皆さまと連携しながら、動物と人が共に笑顔でいられる社会を目指して取り組んでいきます。
―畜産用の医薬品についてはいかがでしょうか?

畜産動物の健康を守ることは、安全で高品質な食品を安定的に届けることにつながり、社会全体の安心を支える基盤となります。
ゾエティスでは、牛・豚・鶏をはじめとする産業動物の疾病予防や治療に役立つ医薬品やワクチンを提供するとともに、動物への負担を軽減する投薬方法や免疫学的製剤の開発にも取り組み、生産現場を支えています。

―産業動物の健康は、私たちの食生活に直結しているのですね。

私たちは単に動物を治療するだけではなく、生産者の皆さまが安心して畜産に取り組める環境を整えることにも力を注いでいます。
これにより、人々の食卓に安全で高品質な食が届けられると同時に、持続可能な畜産業の発展にも貢献していきます。
人と動物の絆をもっと深く、もっとメジャーに
―このような社会への貢献をもっと世に知ってもらい、業界を盛り上げるために「業界メジャーリーグ化構想」を掲げていると拝見しました。

「業界メジャーリーグ化構想」とは、アニマルヘルスケア業界全体をより魅力的で活気あるものにして、社会に広く認知される存在にしていきたいという思いを込めたスローガンです。
―「メジャーリーグ」とは、野球のメジャーリーグですか?

そうです。多くの人々に注目され、誇りを持って活躍できるフィールドを業界全体でつくっていくことを目指しています。
―実現に向けて取り組んでいることを教えてください。

製品やサービスの提供にとどまらず、獣医師や生産者、パートナーの皆さまと共に課題解決に取り組み、アニマルヘルスケアの社会的価値を発信しています。
業界が一層「メジャー」な存在になることで、動物と人の健康や生活をより豊かにできると考えています。
―業界が広く知られることで、社会への影響も強くなり、より効果的な活動ができるようになりますね。

この取り組みの一環として、CSR活動*¹にも力を入れています。教育支援や動物福祉の推進、環境保全といった活動を通じて、社会全体にアニマルヘルスケアの価値を届けることを目指しています。
業界としてのプレゼンス(存在感)を高めると同時に、持続可能な社会への貢献も果たしていきたいと考えています。
*¹CSR活動:企業が利益だけでなく、教育や環境保全など社会全体に貢献する責任を果たす取り組みのこと
―CSR活動として、アニマルセラピーの普及活動などをしているとお聞きしました。

アニマルセラピーの普及活動は、「動物と人が共に生きる価値を社会に広げたい」という思いから始めました。ペットや動物たちが人に寄り添うことで、不安や孤独感が和らいで心身の健康を支える力があることは、医療や福祉の現場でも実証されています。

―アニマルセラピーの実施例も増えていると聞きました。

私たちは、医薬品やワクチンの提供にとどまらず、こうした取り組みを通じて人と動物の絆を深めることも大切な使命だと考えています。アニマルセラピーの普及に貢献することで、より多くの方が動物と過ごす喜びや癒やしを感じられる社会を目指しています。
―この先の社会において、アニマルセラピーはどのような位置づけになると考えていますか?

これからの社会では、アニマルセラピーはますます重要な役割を担っていくと考えています。特に高齢化の進展や孤独感の増大、ストレス社会の中では、動物が人の心を癒やして安心感を与える価値はさらに高まっていくでしょう。
―まさにこちらの動画(本記事末)では、皆さんが前向きな気持ちになっていました。

また、医療や福祉だけではなく、教育現場や地域コミュニティなど、幅広い場面での活用へと広がる可能性があります。
「人と動物の絆」(Human Animal Bond)を深めるアニマルセラピーが社会に根付くことで、誰もがより健やかに、豊かな心で暮らせる未来の実現に貢献できると信じています。
―「人と動物の絆」(Human Animal Bond)について、もう少し詳しく聞かせてください。

「人と動物の絆(Human Animal Bond)」は、動物と人が互いに影響し合い、心身の健康や生活の質(QOL)を高め合う関係のことを指します。
ペットがそばにいることで得られる安心感や癒やしはもちろん、産業動物においてもその健全な飼養は人々の食と暮らしを支える重要な基盤となっています。


私たちは、この絆を深めることがアニマルヘルスケアの根幹にあると考えています。医薬品やワクチンの提供だけでなく、教育やCSR活動を通じて、人と動物がより良い関係を築ける社会づくりに貢献していきます。
―アニマルセラピー以外のCSR活動についても教えてください。

例えば、次世代の獣医師や愛玩動物看護師の育成を目的とした教育支援や研修プログラムの実施、動物福祉の啓発活動があります。また、環境負荷の低減や持続可能な資源利用にも注力しており、事業活動を通じて社会全体にプラスの価値を届けたいと考えています。
これらの活動を通じて、単に医薬品を提供する企業にとどまらず、人と動物、そして地球の健やかな未来に貢献する存在でありたいと考えています。
―畜産分野の出前授業や、農場見学も行っていると拝見しました。

畜産分野の出前授業や農場見学は、次世代を担う子どもや学生に、動物と人との関わりや食の大切さを直接伝えることを目的に行っています。教科書だけでは学べない現場の実体験を通じて、動物の健康が人々の暮らしや社会の基盤を支えていることを実感してもらいたいと考えています。

―フードロスなどが問題になっている今だからこそ、「食育」で得られる学びはとても大事なことだと思います。

また、農場での取り組みや獣医師・生産者の思いを知っていただくことで、畜産業への理解を深めて将来の人材育成にもつなげています。
こうした活動は、持続可能な畜産の実現や、人と動物が共に生きる社会づくりに向けた大切な一歩だと考えています。
―最後に、この記事を読んでいる方々へメッセージをお願いします。

この記事を通じて、動物の健康を守ることが人や社会の幸せにつながるということを、少しでも身近に感じていただけたらうれしく思います。ペットも産業動物も、私たちの暮らしに欠かせない存在であり、その絆を支えることが私たちの使命です。
ゾエティスは、医薬品やワクチンの提供だけではなく、アニマルセラピーや教育支援、環境保全といったCSR活動にも力を入れています。これからも動物と人がともに健やかに過ごせる社会をつくるために、一歩ずつ取り組んでいきます。
今後とも温かく見守ってください。
ゾエティス・ジャパンの詳しいCSR活動に関する動画はこちら!
現在、日本をはじめとする世界各国の超高齢化や核家族化が進行する社会において、動物福祉の向上や人と動物の共生を目指した包括的な活動プログラムであるCAPP活動(Companion Animal Partnership Program)が継続して行われています。アニマルセラピーはその活動にも含まれており、心の健康を支える重要な手段となります。
このCAPP活動は、20年以上前に東京の赤坂動物病院院長(現在は名誉院長)である柴内裕子先生が始められ、JAHA(日本動物病院協会)や日本獣医師会とも連携して継続的に活動されています。
ゾエティス・ジャパン株式会社
動物用医薬品やワクチン、診断検査の研究開発・製造・販売を中心に、遺伝子検査やバイオデバイスなどのサービスも提供している動物用医薬品・医療機器メーカー。
ホームページ:https://www2.zoetis.jp/
CSR活動の紹介:https://www2.zoetis.jp/company/csr/
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