こんにちは、フォトグラファーのあきです。今年も残すところ約2か月。夏も終わり、急に肌寒く感じる季節となりましたね。季節の変わり目は体調を崩しやすいので、気をつけながら写真ライフを送っていきたいものです。
さて、今回は「Beautiful World:日本の水族館」の第2弾です。※ 第1弾はこちらをチェック!
ご紹介するのは、東京都墨田区のすみだ水族館! 東京スカイツリーの麓にある水族館です。
すみだ水族館の魅力は没入感
すみだ水族館の魅力は、クラゲ水槽、屋内の大型ペンギン水槽、小笠原諸島の海をテーマにした大水槽などたくさんありますが、どのエリアも共通して没入感が素晴らしいと感じます。
入口近くの階段を上っていると、ゆったりとしたBGMが聞こえ、心の落ち着くフレグランスが香り、美しい波紋の投影が視界に入ります。そして、階段を上りきったら「すみだ水族館」という世界のスタートです。
最初に待ち構えている「自然水景」エリアは、見渡したときの緑(水草)の多さが印象的です。
なぜこんなにも緑が豊かなのでしょうか? この疑問には、「景観を保つため」以外の答えがありました。
実は、この水槽には酸素が与えられておらず、代わりに二酸化炭素が添加されているのです。植物の光合成により生じた酸素で生き物たちが生活するという、自然界を表現した作りのため、水草が多く植えられているのでした。
美しいだけで終わらない、このような学びのある展示は、勉強になるうえに楽しいですね!
面白く美しいクラゲエリア
クラゲエリアは、2020年7月にリニューアルオープンしたエリアです。エリアの中心にある直径7メートルのビックシャーレ水槽には、約500匹のミズクラゲが漂っています。
水族館でクラゲを上から観察できる水槽は珍しいため、すみだ水族館ならではの楽しみですね!
ミズクラゲは、四つ葉のクローバーに見える部分が胃にあたります。ほとんどの個体は4つあるのですが、まれに3つだったり、5つだったりする個体もいます。そんな違いを気にしながら観察するのもオススメです。
クラゲエリアには様々な種類のクラゲがいます。なかでも筆者のお気に入りは、コティロリーザ・ツベルクラータです。
……なにかの暗号でしょうか? なんとも覚えにくい名前の子ですが、英名はFried egg jellyfish(目玉焼きクラゲ)となかなかユニークです。目玉焼き感あふれる傘の部分とは打って変わって、口腕部は艶やかな紫色をしていて美しいのです。
面白さと美しさを兼ね備えたこの美しいクラゲを、ぜひ水族館で探してみてくださいね!
サンゴ礁エリアのチンアナゴの仲間
サンゴ礁エリアには複数の水槽がありますが、今回紹介するのはチンアナゴの水槽です。
直径5メートル程度の水槽には、約200匹のチンアナゴの仲間が暮らしています。一括りに「チンアナゴ」と認識されることが多いこの子たちですが、この水槽にはチンアナゴ、ニシキアナゴ、ホワイトスポッテッド・ガーデンイールの3種類がいます。
よく見ると全然違いますよね。この子たちは基本的には水の上流方向を向いていて、餌が流れてくるのを自分のテリトリーで待ち続けています。
筆者も学生時代にチンアナゴを飼育していましたが、特定の個体に餌を届けようとしても水流の調整がとても難しかったことを覚えています。テリトリーの外にある餌はあまり取りに来ませんし、他の個体のテリトリーに侵入すると喧嘩が勃発してしまいます。
幻想的なペンギンエリア
すみだ水族館には50羽以上のマゼランペンギンがいて、水槽をプカプカ泳いだり、岩場でゆっくり休憩したり、各々自由に暮らしています。
昼は比較的明るい暖色系の照明ですが、18時を過ぎると照明が夜モードに変わるため、幻想的な青色の世界を味わうことができます。
小笠原大水槽
小笠原大水槽には、小笠原諸島の海で見られる生き物を中心とした約45種が暮らしています。
筆者のお気に入りはシロワニさん。鋭い歯がぎっしりと並んだイカつい顔をしていますが、性格は穏やかなのだそうです。小笠原諸島のダイビングで出会えますが、こちらから何かをしない限りはあまり襲ってこないようです。
長期休暇が取れた際は、シロワニや日本固有種のユウゼンなどに会いに、小笠原諸島へ行ってみたいですね!
また、2023年9月30日からは小笠原諸島の生き物を中心とした新常設展示「オガサワラベース」がスタートしています。写真はあえて載せませんので、ぜひ体感しに足を運んでみてください。
すみだ水族館ウェブサイト
https://www.sumida-aquarium.com/index.html
・連載記事
Beautiful World:日本の水族館【第1回】サンシャイン水族館 – いきもののわ (midori-ikimono.com)
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【文・写真】
あき
1996年大阪府生まれ、東京都在住。水族館や水中、音楽ライブの撮影のほか、雑誌、Webメディアへの寄稿などを行う。2017年、水族館の生きものを綺麗に撮影したいと思い、写真を始める。2023年、国際フォトコンテスト8TH 35AWARDS「UNDERWATER PHOTOGRAPHY」で100Best photo選出、Top35 photographers選出。『幻想的な水族館の世界カレンダー2024』(緑書房)が好評発売中。
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