動物園のこんな生きもの【第2回】神戸どうぶつ王国・ミナミコアリクイ

皆さんはミナミコアリクイという生き物をご存知でしょうか。

野生では南アメリカの草原や森で暮らしている生きものです。その名の通り、アリやシロアリなどを長い舌を使って食べます。

今回はそんなミナミコアリクイの特徴や、神戸どうぶつ王国で暮らしているミナミコアリクイたちの魅力をお伝えしていきます。

木の上で暮らす

野生でのミナミコアリクイは、発達した尻尾や鋭い爪を上手く絡ませながら樹上を移動します。神戸どうぶつ王国でもその生活様式が再現されており、来園者用の通路の上にある枝で歩いたり、一休みしたりしている姿が見られます。

かわいすぎる寝相

神戸どうぶつ王国の「熱帯の森」エリアでは樹上から出迎えてくれる彼らですが、眠るときにはハンモックも利用します。

野生のミナミコアリクイは樹上で寝るときに、木の股など安定した場所を探して眠ります。そこで神戸どうぶつ王国が「安定した場所」の選択肢としてハンモックを設置したところ、ミナミコアリクイが自らハンモックを選んで寝るようになったのだとか。

ハンモックで丸くなって気持ちよさそうに眠る姿は、えも言われぬかわいさです。野生とは違いながらも、野生の習性が垣間見える姿が観察できると、動物の新たな一面を覗くことができた気がして、嬉しい気持ちになれますね。

子育て中のミナミコアリクイ

神戸どうぶつ王国では2023年11月にミナミコアリクイの新たな命が生まれました。そして12月より、子育ての様子を観察できるようになりました。

ミナミコアリクイの赤ちゃんには、母親の背中にギュッとしがみついて生活するという変わった特徴があります。筆者が観察した1月28日には、ご飯のときに自分で歩いてお母さんのおっぱいを飲んだり、まれに振り落とされそうになっていたものの、基本的にはずっと背中の上で過ごしていました。


ミナミコアリクイは約1年で成獣になるようです。2月時点ですでに背中には乗っていないようですが、今後も成長を見守っていきたいですね。

※写真はすべて神戸どうぶつ王国 https://www.kobe-oukoku.com/(撮影・あき)

【文・写真】
あき
1996年大阪府生まれ、東京都在住。水族館や水中、音楽ライブの撮影のほか、雑誌、Webメディアへの寄稿などを行う。2017年、水族館の生きものを綺麗に撮影したいと思い、写真を始める。2023年、国際フォトコンテスト8TH 35AWARDS「UNDERWATER PHOTOGRAPHY」で100Best photo選出、Top35 photographers選出。『幻想的な水族館の世界カレンダー2024』(緑書房)が好評発売中。
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