日本の犬・猫の12%は飼い主がいないことが判明(マース ジャパン)

マース ジャパンは2024年1月23日、動物福祉の専門家団体とのパートナーシップによる「飼い主のいないペットの現状把握プロジェクト(State of Pet Homelessness Project)」の一環として、国際調査の結果を発表しました。

調査対象となった20カ国全体では、犬・猫の約35%が、路上で生活しているか、もしくは保護施設で新たな飼い主を待っているという状況とのこと。

内訳として、路上で暮らしている犬は1億4300万匹、猫は2億300万匹で、保護施設にいる犬は1200万匹、猫は400万匹になるそうです。

飼い主のいない犬・猫は国内で約228万匹

公表されたデータでは、日本における犬・猫の総数を 1833万匹(犬716万匹、猫1117万匹)と推計した場合、日本における飼い主のいない犬・猫は総数の12%(約228万匹)であり、世界平均の35%を大きく下回りました。

去勢・不妊手術実施の割合は犬より猫のほうが多い

「あなたのペットは去勢・不妊手術をしていますか」という質問では、犬は64%、猫が82%と、共に世界平均を上回りました。

関連して「飼い主のいないペットを減らすには、どのような対策が最も効果的だと思いますか?」という質問でも去勢・不妊手術は上位に入っており、ペットに対して去勢・不妊手術を施す関心の高さがうかがえます。

ペットを迎える先として「シェルター(保護施設)」の認知度はまだ低い

ペットの入手先を聞いたところ、犬はペットショップからが一番多く43%でしたが、猫は16%となりました。猫の入手先は「野良猫(見つけた)・友人(親戚)」が一番多く、あわせて53%となっています。

一方で、シェルター(保護施設)から迎えた割合は、犬が7%、猫が9%と、低いことが分かりました。

関連して、ペットを迎える検討をしている人にシェルター(保護施設)から迎える予定はあるか聞いたところ、ともに30%を下回りました。これらの結果から、シェルター(保護施設)の認知度がまだ低いことがうかがえます。

ペットのマイクロチップ装着率は40%以下

ペットが行方不明になったことがあるか尋ねたところ、犬では18%、猫は23%という結果になりました。そのうち、行方不明になったままと回答した割合は、それぞれ半数近くに上りました。

ペットの迷子対策として「マイクロチップ装着」と回答した人が犬・猫それぞれで約50%だった一方、実際の装着率については、犬で39%、猫で15%となりました。

これらの結果から、一度迷子になってしまうと見つかりづらいことが分かります。また、迷子対策にマイクロチップが有用であると認識されているにもかかわらず、装着率の低さが目立つようです。

ペットとのより良い関係を作るために

同社は最後に「日本では飼い主のいない犬・猫が世界平均に比べ少なくなっていますが、いまだ多くの犬・猫が飼い主を必要としています。望まれない犬・猫が生まれてしまうことを防ぎ、無理なく持続的に犬・猫を飼える環境を整え、室内飼育を徹底することで、不幸な犬・猫を減らすことができるのではないか」と総括しています。

この調査の詳細な結果については、同社の公式サイトをご覧ください。

マース ジャパン「日本におけるペット(犬・猫)に関する調査データ初公開」
https://jpn.mars.com/Japan_Resarch_Data_20240209?language_content_entity=ja

※同社ニュースリリースをもとに編集部まとめ。