フォトエッセイ  犬と人が織りなす文化の香り【第4回】アメリカ・ニューメキシコ(アコマプエブロ)

天空都市で暮らす犬たち

サンタフェ郊外には、ネイティブアメリカンのプエブロ(集落)が8つあります。その中のひとつ、アコマプエブロ(Acoma Pueblo)は、アルバカーキーという都市から西に100キロメートルほど進んだところに位置します。

アコマプエブロは、アメリカで今も住み続けられているプエブロのなかで最古のものであり、メサと呼ばれるテーブル台地(卓上台地)の上にあります。テーブル台地といっても、地上からの高さが112メートルほどもある断崖であり、標高は2134メートルもあります。この高さから、スカイシティ(天空都市)とも呼ばれています。

現在では、部族の人のほとんどは「下界」に移り住んでいます。しかし、今でも電気やガス、水道もないメサで十数名が生活をして、伝統を守り続けています。

観光としてもガイド付きでプエブロ内を見学できますが、写真の撮影にはさまざまなルールがありました。風景にも撮影の許可が必要ですし、撮影禁止区域もあります。これらのルールを守りながらガイドに付いていくと、プエブロ内でたくさんの犬に出会いました。

犬同士で遊んだり、ひなたぼっこをしたり、昼寝をしたりと、観光客のことはお構いなしに自由に暮らしていました。その姿を見ていると、村の文化や歴史の中に自分が入り込んだ感覚を覚えるとともに、深く心に響くものがありました。

【写真・文】
蜂巣文香(はちす・あやこ)
写真家。犬、猫、コンパニオンバードなどのペット写真をはじめ、手仕事やライフスタイルなどさまざまな分野で“伝わる”写真を日々撮影している。広告や雑誌、書籍、WEBなど幅広く活躍中。欧米を中心とした海外での撮影経験も豊富。愛犬雑誌「Wan」(緑書房)でもおなじみのカメラマンで、柴犬をモチーフにしたカレンダーシリーズ「しばいぬ(卓上)」「日本の柴犬(壁掛け)」「黒柴(壁掛け)」(緑書房)も毎年好評を博している。
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