日本で出会ったイルカとクジラ【第10回】御蔵島で出会ったイルカの話 その3

2024年7月末にも御蔵島を訪れましたので、そこで出会ったイルカたちとの思い出を紹介していきます。

荒れた海での出会い

前回、5月に御蔵島を訪れたときは風もなく、晴れの天気で最高のコンディションだったのですが、今回は島に到着できるのかも不安な海況でした。

日本の西の方に逸れた台風4号ですが、そのウネリが数日程度遅れて御蔵島に届き、港は大荒れだったのです。
遥か遠くで起こった事象も遅れて影響がでることから海は確かに繋がっていることを再認識させられました。

出港から不安な状況でしたが、東海汽船の頑張りもあり、なんとか御蔵島へ着岸。ドルフィンスイムを行うことができました。

島の西側半分はうねりと風の影響を受けて大荒れのため、ドルフィンスイム船は東側半分で捜索。
島を半周しかできないと、イルカと出会える確率は半分にまで減少します 。

やはりイルカは荒れた海が好きなのか、東の比較的穏やかな海ではなかなか出会えずに苦戦しました。
その中でも穏やかな海で気持ちよさそうに泳いでいた小さな群れのイルカたちを発見しました。

<キャプション>こちらへ向かってくるイルカ

透視度も良く、光が差し込んでいたこともあり、お気に入りの写真が撮影できました。

私が水深5m程度のところで止まっていると、大きなカメラに興味を持ったのか、カメラ覗き込んで横を通り過ぎて行きました。

興味津々で覗き込む姿も可愛いですね。

島の東側を半周探して、出会えた群れは一群のみ。
なかなか厳しい状況が続きましたが、Uターンしてまた捜索を再開すると、先ほどとは異なるイルカの群れに出会えました。

<キャプション>水深20m程度の少し沖合の海で出会えたイルカの親子

子どもはだいぶ大きく育っていましたが、寄り添い泳いだ後、少し深いところでお母さんからミルクをもらっていました。

海に潜り、イルカの世界にお邪魔させていただく。

イルカに気づいてもらえなくても良い。
ただその世界に溶け込み、彼らのリアルをこれからも観察できたら幸せです。

最後に

昨年より連載させていただいた「日本で出会ったイルカとクジラ」は今回で連載終了となります。

これまで見てくださった皆様ありがとうございました。

連載は終了となりますが、大阪にてイルカをテーマにした個展を開催いたします。

・会場… MAISON D’ART 〒550-0004大阪府大阪市西区靱本町1-16-19-2F ギャラリー
・会期…2024年11月15日(金)〜17日(日)
・時間…11:00~18:00(最終日のみ17:00まで)

会期中は毎日在廊しておりますので、お気軽に遊びにきていただけますと幸いです。

それではまたどこかで。

【文・写真】
あき
1996年大阪府生まれ、東京都在住。水族館や水中、音楽ライブの撮影のほか、雑誌、Webメディアへの寄稿などを行う。2017年、水族館の生きものを綺麗に撮影したいと思い、写真を始める。2023年、国際フォトコンテスト8TH 35AWARDS「UNDERWATER PHOTOGRAPHY」で100Best photo選出、Top35 photographers選出。ほか『幻想的な水族館の世界カレンダー2024』(緑書房)など。
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