自然保護から動物共生までをつなぐ 小笠原ネコプロジェクト

前回のおさらいにはなりますが、小笠原諸島の母島と父島には、さまざまな固有種の鳥類がいますが、野生化した猫(ノネコ)の捕食によって、その生存が脅かされていました。そこで、2005年から小笠原の野生動物研究者が中心となり、行政や地元住民などの協力を得て「小笠原ネコプロジェクト」としてノネコの捕獲が始まりました。

小笠原ネコプロジェクトではノネコを捕獲するだけでなく、捕獲されたノネコの新しい家族を探す活動も行われています。
今回は保護されたノネコたちの、その後の生活(にゃん生)をご紹介します。

小笠原ネコプロジェクトを支える検査医療

富士フイルムVETシステムズは、東京都獣医師会前会長の村中先生からご紹介をいただいたことをきっかけに、小笠原ネコプロジェクトに協力しています。

これまで動物用医療用機器ならびに関連機材の販売や、動物検体受託検査サービスなど動物医療のサポートを行ってきました。自然環境の保全から、動物との共生までを目指した小笠原ネコプロジェクトの中では、血液検査を通じてノネコを安心して飼うことのできる環境作りに協力しています。

ノネコたちの新しい家族

小笠原ネコプロジェクトで健康管理のサポートを始めたことで、社内でも自然保護や動物共生に関する意識が高まっているようです。

また、小笠原ネコプロジェクトで保護されたノネコを迎えた社員もいます。そんな社員の体験談をご紹介していきます。

写真をきっかけに思わず2匹

家族全員動物が大好きで、猫を飼いたいと思っていたところ、東京都獣医師会の中川先生の動物病院で小笠原のノネコが子猫を2匹生んだというので写真を見せてもらいました。
それがもう可愛いくて……。1匹だけのつもりが結局2匹一緒に迎えることにしました。当時飼っていたフェレットは、一日中子猫たちに追いかけまわされてとても迷惑そうでしたが、それ以外は飼育の苦労はあまりありませんでした。この子たちは家族円満を支えてくれる大事な存在です。
身近な人にこの子たちを紹介するときは小笠原のことも話すので、少しでも多くの人に知ってもらうきっかけになればと思っています。

IVD(体外診断)事業部 皆川秀輝

元気いっぱいな子猫と楽しい生活

飼っていた猫を病気で亡くし、気落ちしていたときに声を掛けてもらったことがきっかけで、生後数か月ほどのノネコを迎えました。
私の元に来るまでどのように過ごしたか、保護された時の状況や毎日の体調の変化、兄弟猫と遊んで過ごす様子など細かく記したお手紙も一緒にいただきました。
最初はあまりの小ささにケージの間からすり抜けてきたり、壁の隙間に閉じこもったりと戸惑うこともありましたが、よく食べてとっても元気いっぱいの子で、今も毎日にぎやかに過ごしています。

新規事業推進部 山田めぐみ

小笠原で保護されたノネコたちは、東京都獣医師会に所属する動物病院へ引き取られ、健康診断や駆虫、人との生活にある程度の馴化をした後に、新しい飼い主の元へ譲渡されています。

詳しくは東京都獣医師会のホームページをご覧ください。

【執筆】
山田 めぐみ(やまだ・めぐみ)
富士フイルムVETシステムズ株式会社
新規事業推進部:https://www.fujifilm.com/ffvs/ja

[編集協力]
いわさきはるか