教えて!飼育員さん:ライオンのはなし

百獣の王(とくしま動物園)

ライオンはこんな生き物

ライオン(食肉目ネコ科ヒョウ属・学名Panthera leo)は、アフリカ大陸のサハラ砂漠の南から、サバンナや草原など茂みのある高地に生息しています。
体長は、オスが170~250センチメートル、メスが140~180センチメートルで、体重はオスが150~250キログラム、メスは120~180キログラムあり、ネコ科の中ではトラに次いで2番目に大きい動物です。
ライオンは夜行性で、日中は寝て休息し、夜に狩りをします。野生下では、主に中型から大型の哺乳類(ウォーターバックやガゼル、シマウマ、ヌーなど)を捕食し、獲物が足りない時は齧歯類などの小動物や昆虫などを食べることもあります。

動物園のライオンはいつも寝ている印象がありますが、それもそのはず。夜行性のライオンは、1日およそ15~20時間眠ったり横になってくつろいで過ごします。展示場に出てすぐや、閉園前の夕方などは普段見られない活発に動くライオンの姿が見られるかもしれません。

当園では現在、お父さんのレオ(オス、15歳)、お母さんのムーン(メス、6歳)、姉のモエル(メス、3歳)、妹のサッシュ(メス、10ケ月)を飼育、展示しています。

※情報は2025年2月時点のものです。

ライオンの日常

当園では、オスとメスを交代で展示しています。
開園前の朝8時、展示場の安全確認をした後に寝室の扉を開け、まずはメスライオン達が展示場に出ていきます。
モエルとサッシュは、一緒に走り回ったり、おもちゃのブイなどで遊びます。お母さんのムーンは、ある程度外でのんびりすると部屋に帰ってこようとするので、獣舎をすぐに掃除して、外と中を行き来きできるようにします。

13時になると3頭は寝室に帰り、オスのレオが展示場に出て来ます。レオは、展示場を歩き回りメス達が残した匂いを嗅いだり、自分のおしっこを木などにかけて匂いを付けます。そのあとは、冬だと日当たりの良い場所、夏だと木陰などでお昼寝をします。

16時頃になると餌の時間で、メス達は鶏肉や豚肉、馬肉を食べます。レオも、この時間になると昼寝をやめておもちゃのブイをサッカーボールのようにドリブルして、早く食べたいとアピールをしてきます。閉園頃、寝室に帰るとすごい速さで餌を食べてしまいます。
最後に展示場の掃除を行い、1日が終わります。

飼育員さんの小話

姉妹のモエルとサッシュは、よく遊び、よく食べ、よく物を壊すいたずらっ子です。
離れていても、お互い目線で誘い合って駆けっこをしだしたり、そのままお母さんに抱きついて甘えたりします。サッシュが生後4~5ヶ月の頃、遊びの力加減を間違えたモエルが、ムーンに怒られている姿をよく目にしました。今では、お姉ちゃんと張り合うぐらい元気一杯に成長してくれました。

飼育員さんが教えるライオンの見どころ

ライオンは、ネコ科で唯一プライドと呼ばれる群れを作って生活する動物です。喜怒哀楽が豊かで、鳴き声や毛づくろい、表情や身振りなど、さまざまな方法でコミュニケーションをとります。
ライオン同士の何げない行動にも、仲間への挨拶や個体同士の関係を表すヒントが隠れているのでよく観察してみてください。

【文・写真】
とくしま動物園
〒771-4267 徳島市渋野町入道22-1
TEL 088-636-3215
公式サイト:https://tokushimazoo.jp/
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