教えて!飼育員さん:ロバのはなし

古代からのおともだち(東武動物公園)

ロバはこんな生き物

ロバ(哺乳網奇蹄目ウマ科ウマ属ロバ亜属・学名Equus asinus)は、世界中で飼育されている家畜であり、大きく長い耳が特徴で「ウサギウマ」という別名もあるほどです。鳴き声も独特であり、英語圏では「イーヨー」と表現されます。

ロバの家畜化の歴史は古く、紀元前5000年ごろにまでさかのぼります。体が丈夫で少ない食料でも生きていけることから、荷物の運搬や農耕に用いられていました。
性格は基本的に温厚でおとなしいですが、気に入らないことがあると動かなくなるなど頑固な一面もあります。
寿命は25年から30年ほどで、飼育下ではそれ以上に長生きすることもあります。

当園では現在、チヒロ(メス、22歳)を飼育、展示しています。
※情報は2025年2月時点のものです。

ロバの日常

チヒロの1日は、9時頃に馬房から展示場に移動して、餌を食べることから始まります。餌は、チモシーという乾燥させた牧草です。その間に馬房の部屋を掃除します。
日中は展示場でのんびりしながら、お客さんからおやつのニンジンをもらうなどして過ごしています。
15時30分ごろには、展示場から移動して体のブラッシングと蹄の手入れをします。糞などのゴミが挟まったままだと蹄が腐る原因になるので、丁寧に行います。その後馬房に帰り夜の餌を食べて1日を終えます。
最後に展示場の掃除をして1日の作業は終了します。

飼育員さんの小話

ロバは個性豊かな動物であり、チヒロも例外ではありません。チヒロは「甘えん坊で食いしん坊」です。朝や夕方は早く餌が食べたいのか、遠くからでも聞こえる大きな声で飼育員を呼びます。それを聞いて近くに寄ると、顔をぶつけてきて「連れて行って」と催促をしてきます。

チヒロは筋肉ムキムキの男性が好きなようで、特にマッチョのベテラン飼育員さんに甘えます。筋肉ムキムキのお客さんが近くを通る時に、大きな声で鳴いてアピールすることもあります。

飼育員さんが教えるロバの見どころ

なんといっても特徴的な長い耳と鳴き声です。鳴くかどうかはチヒロの気分次第ですが、おやつのニンジンが大好きなのでおやつコーナーに立ち寄れば鳴いてアピールしてくれるかもしれません!
他にも、ロバなどのウマの仲間は、視野を広げるために黒目が丸ではなく横長の楕円形をしています。顔を見る時は目にも注目してみてください。

【文・写真】
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