小さな手で泳ぎ、器用にごはんを探し出す(とくしま動物園)
コツメカワウソはこんな生き物
コツメカワウソ(イタチ科カワウソ亜科ツメナシカワウソ属・学名Aonyx capensis)は、カワウソの仲間では最も小さい種類で、東南アジアの河川や水田、河口などで暮らしています。主に明け方や夕方に行動しますが、夜間にも行動します。
名前の由来となった小さい爪を持っていることが特徴で、手先が器用です。家族を中心とした大きな群れで生活するため社会性も高く、コミュニケーション(鳴き声の種類など)も豊かな動物です。

寿命は一般的に10年程と言われていますが、20年を超える個体も珍しくはありません。
ペットブームの影響を受け、密輸などが盛んになったことから野生での生息数が減少しており、2019年に商業的な取引が国際的に禁止となりました。
野生では甲殻類や貝、魚などを食べており、当園ではアジやキビナゴ、ドジョウといった魚とキャットフードを与えています。繁殖期は一年中で、時に年2回出産することもあります。

当園では現在、お父さんの「そぼろ」(オス、2歳)、お母さんの「てまり」(メス、4歳)、2024年10月1日に生まれた五つ子のこどもたち、オスの「海(かい)」「福(ふく)」「三郎(さぶろう)」、メスの「あゆ」「こむぎ」を飼育、展示しています。
※情報は2025年3月時点のものです。
コツメカワウソの日常
9時30分の開園に合わせて、「そぼろ」をパドックに放飼します。
土曜日・日曜日・祝日は、10時30分から「カワウソ すいすいタイム」というイベントを実施します。
2025年3月現在、14時に「そぼろ」を収容し、「てまり」と五つ子をパドックに放飼しています。その後、15時に「てまり」と五つ子を収容します。母子の体調をみながらの展示となりますので、公開中止になる場合もあります。

飼育員さんの小話
小さかった子どもたちも成長し、大きい子は母親と同じくらいの大きさになっていますが、まだまだ子どもらしい仕草が散見されます。母親から教わることも多いようで、練習用に設置した浅いプールで、泳ぎ方や素潜りなどを遊びながら学んでいる最中です。
まだまだ成長過程の五つ子ですので、来園者の皆さんには温かく見守って応援してもらえると嬉しいです。

なお、五つ子たちはそれぞれ体色や性格、体つきに違いが見られるようになってきています。かなり難しいとは思いますが、見分けられるようになると、観察するのがもっと面白くなりますよ。
飼育員さんが教えるコツメカワウソの見どころ
開園直後には、パドックの色々な場所に隠したオヤツを「そぼろ」が上手に探し出して食べている姿を見ることができます。それ以外の時間では、職員手作りの遊具で遊ぶ姿を見ることもできるので、時間を変えて複数回見てみると面白いと思います。
土曜日・日曜日・祝日限定イベントの「カワウソ すいすいタイム」は、人間が通り抜けできる大きな逆L字のガラス水槽で、活きたドジョウを与えるイベントです。ドジョウを追いかけてプールの中を縦横無尽に泳ぐカワウソのスピードと、プールの底の岩陰に隠れたドジョウを手を突っ込んで探す手先の器用さを間近に観察することができます。


【文・写真】
とくしま動物園
〒771-4267 徳島市渋野町入道22-1
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公式サイト:https://tokushimazoo.jp/
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