あの鳥のここがたまらない!身近な野鳥の偏愛観察記【第5回】カモのお尻を「ツン」としたい

次第に暖かくなってきましたが、冬はバードウォッチングのベストシーズンです!
「葉っぱが落ちて鳥を見つけやすい」「北国から渡り鳥がやって来る」など理由は色々ありますが、ボクが冬を推す理由はシンプルです。

「そこに、カモがいるから」です。

彼らは体が大きくて、動きがゆっくり。そして、双眼鏡がなくても肉眼でしっかりと観察ができる。そんな気軽にバードウォッチングを楽しめるのが、カモです!

「でも、カモって種類が多くて覚えられない……」

そんな声が聞こえてきそうです。たしかに、名前と特徴を覚えるのはとても大変。
それなら、名前の暗記は置いておいて、彼らの動きで分けてみるのはどうでしょうか? ポイントは「水陸両用タイプ」か「潜水タイプ」かの違いです。

水陸両用タイプ:カルガモなど

たとえばカルガモ。初夏の頃に、子連れで行進しているのが毎年ニュースになりますね。ペタペタと陸に上がって、お尻をフリフリ。
冬は子育てシーズンではないので、あのような親子連れは見られませんが、公園の林の中でドングリを求めてペタペタ歩く姿をよく見かけます。そして人が近づくと、サササーっと水辺へ逃げていき、水面でプカプカ。
まさに水陸両用なカモです。

潜水タイプ:キンクロハジロなど

一方で、めったに陸へ上がらないカモたちもいます。キンクロハジロなどがこのタイプ。

水面に浮かんでいたかと思えばスッと姿を消し、しばらくすると予想外の場所から「ひょっこり」顔を出します。彼らのエサは貝や魚なので、潜りに特化しています。足が体の後方についているのも、そのほうが泳ぎの推進力が高まるからです。

水中でスクリューのような推進力を生むための進化ですが、おかげで陸上を歩くにはバランスがとりにくく、歩く姿を見ることはまれです。

いつか突いてみたい、愛しいお尻

ここからが今回の偏愛ポイント。

先ほど紹介した「水陸両用タイプ」のカモたちは、水中にどっぷり潜ることはあまりしません。では、水底に生えているエサ(水草など)をどうやって食べるのでしょうか?

答えは「逆立ち」です!
上半身をグイッと水に沈めて、お尻だけを水面に突き出します。その姿は、もはや池に生えた「タケノコ」です。
ぷかりと浮かんだ、羽毛でふわっふわのお尻を見るたびに、ボクの中にある衝動が湧き上がります。

(あれを……指で「ツン」と突いてみたいっ!)

もちろん、野鳥に触れることはできません。なので、池のほとりでじっと彼らを見つめながら、脳内で妄想します。

(いま、あの無防備なお尻をツンと突いたら、どんな顔をして驚くだろうか……?)

冬の池で、水面にいくつものタケノコが並んでプカプカしている光景は、なんだか平和で、とても愛おしいです。
みなさんも今度カモを見かけたら、名前探しは後回しにして「あの子は潜る派かな?」「あっちの子はタケノコになるかな?」と観察してみてください。そして、運良く浮かんでいるお尻を見つけたら、心の中でそっと「ツン」としてみてくださいね。

【文・イラスト】
くますけ
子どもたちに自然の楽しさをやわらかく伝える専門家。自然ガイド歴17年。関東平野の真ん中で筑波山を眺めながら、すくすくと育つ。20代最後の挑戦で、体験型環境教育を実践するホールアース自然学校へ転職。柏崎・夢の森公園での勤務を経て独立。くだけた説明が行政・企業・先生から好評。おうち時間が増えたのをきっかけにイラストを描き始め、公園や庭で見られる自然の発見や誰かに言いたくなる話をSNSで発信している。著書に「エナガの重さはワンコイン」(山と渓谷社)。
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