緑書房ではこのたび、『愛犬ががんと診断されたときに読む本』（著：丸尾幸嗣）を発刊しました。この記事では、著者の丸尾幸嗣さんが本書で伝えているメッセージの一部と、なぜ本書を愛犬家のみなさんに読んでほしいのかを紹介します。
「がん」は犬にとって最も身近な病気
獣医学や栄養学の発展などによって、犬も長寿化が進んでいます。愛犬と長く・ともに暮らせることはとても喜ばしいことですが、長寿化とともに問題となるのが腫瘍性疾患、いわゆる「がん」です。人と同様、今や犬もがんが死亡原因の第１位であり、そして、犬のがんに対する治療やケアも大きな課題となっています。
本書は、犬のがん研究・治療・看護に携わってきた著者が、犬のがんの基本的な知識や、愛犬ががんになったときの心構えなどを丁寧に解説した一冊です。がんの性質や治療に関する情報に加え、ケアという側面からも、専門的な知見に基づきながら、飼い主さんが知っておくべき情報をやさしくまとめています。
犬のがんの研究・治療・看護に取り組んできたベテラン獣医師が本当に伝えたいこと
本書の著者は、岐阜大学附属動物病院の腫瘍科や比較がんセンターの設立にも携わってきた動物のがん研究の第一人者です。また、動物看護系大学で教授を務めた経験から、動物に対するケアについても造詣を深められてきました。
がんと診断された愛犬と幸せに暮らすために何を考えればよいのか？ 治療方針はどう決定すればよいのか？ 治らないがんであった場合にはどのようなケアが必要になるのか？ 本書はそんな飼い主さんの疑問に答える知識がつまっています。
また、著者が過去に実施した、愛犬のがんに直面した飼い主さんへの実態調査や、自身も高齢犬と暮らす著者が飼い主として気になること、過去に愛犬を見送った際に後悔したことなど、当事者の声にもふれられています。
愛犬ががんと診断されたら、飼い主としては不安なことばかりです。本書の中で著者は、より後悔なく対応するためには、犬のがんについて知ること、そして治療方針を決断する際は獣医師任せにせず、飼い主が主体性をもって動物病院スタッフと話し合うことが大切であると強調しています。
愛犬のがんに直面した際にはいくつもの重要な判断が必要になってきますが、巻末には「愛犬のがんとの向き合い方11カ条」として、著者が読者に最も伝えたい重要なメッセージがまとめられていますので、治療や看護などについて迷ったときには、大切なことをいつでも振り返ることができます。
【主要目次】
第１章 犬のがんについての基礎知識
第２章 犬のがんの基本的な治療法
第３章 愛犬ががんと診断されたとき
第４章 がんになった愛犬と暮らしていくための心構えとやるべきこと
第５章 最期を迎えるにあたって
第６章 愛犬のがんとの向き合い方11カ条
【著者】
丸尾 幸嗣（まるお・こうじ）
岐阜大学名誉教授、ヤマザキ動物看護大学名誉教授、丸尾幸嗣動物がん研究室代表。
獣医師、獣医学博士、元日本小動物外科設立専門医、日本実験動物医学生涯専門医。
1950年香川県生まれ。東京農工大学農学部獣医学科を卒業後、製薬企業、公益財団法人実験動物中央研究所での勤務を経て、母校に戻り獣医外科学の教育・研究・臨床に従事。岐阜大学にてがんをメインテーマとする獣医分子病態学（獣医臨床腫瘍学）研究室で初代教授を務め、附属動物病院にて腫瘍科を立ち上げるとともに、国内初の比較がんセンターである岐阜大学比較がんセンター（現在はOne Medicine トランスレーショナルリサーチセンターに再編）の設立に携わり、センター長を務める。その後、ヤマザキ動物看護大学動物がん看護学（比較腫瘍学）研究室にてがん看護学の教育・研究を行う。2020年丸尾幸嗣動物がん研究室を設立し、以後、現在に至るまで、がん研究・臨床歴43年の経験を活かして犬や猫のがん治療に迷う飼い主を支えるべく、飼い主や獣医師へのアドバイス・セカンドオピニオンを提供している。「伴侶動物がん医療における基礎及び臨床研究」で2020年度日本獣医師会獣医学術功労賞（小動物部門）を受賞。がん治療と看護の融合によって動物のQOLを最優先とする獣医療を目指す。比較腫瘍学やOne Medicineの考え方を獣医療に取り込むべく、探究を続けている。
【本書概要】
・書名：愛犬ががんと診断されたときに読む本
・著者：丸尾幸嗣
・発行：緑書房
・体裁：B6判 216頁
・価格：2,420円 (本体2,200円)
・発売日：2023年12月26日
・ISBN978-4-89531-937-9
■お問い合わせ先
株式会社 緑書房 販売部
〒103-0004 東京都中央区東日本橋3-4-14
TEL：03-6833-0560
https://www.midorishobo.co.jp/