Beautiful World:日本の水族館【第5回】仙台うみの杜水族館

今回は「Beautiful World:日本の水族館」の第5弾!

宮城県仙台市にある、仙台うみの杜水族館の見どころを紹介していきます。

天井にかがやく「マボヤのもり」

入館してすぐに迎えてくれる展示が「マボヤのもり」です。

「マボヤってなに?」と思う方も多いのではないでしょうか。マボヤは、宮城県を代表する海産物である脊索動物です。人により味の好き嫌いは分かれますが、東北地方では古くから食材として愛されており「海を濃縮したような味」と例えられます。

「マボヤのもり」では、マボヤと同じ水槽にドチザメが泳いでいます。この両者のコラボレーションが見られるのはここだけではないでしょうか。

入って早々、とても見応えのある展示だったため、他のお客さんの邪魔にならないようにしながらも10分以上は眺めてしまいました。

写真:「マボヤのもり」の展示

大水槽「いのちきらめく うみ」

マボヤのもりを抜けたあと、すぐに目に飛び込んでくるのが「いのちきらめく うみ」の大水槽です。

写真:「いのちきらめく うみ」の大水槽

秋頃まではこの水槽に、スナメリという1.7メートル程度の小型の鯨類が展示されていたのですが、2024年1月現在は研究調査のためにバックヤードにお引越ししています。

スナメリ以外にも、優雅に泳ぐホシエイや迫力のあるイワシの群れなどをみることができますが、こちらの水槽は他の水族館ではあまり見ない特徴が2つあります。

水槽に天井がない?

1つ目の特徴は、水槽に天井がないことです。

それゆえに晴れた日は美しい光が差し込み、雨の日は少し濁った感じに見えます。実際に雨の日に海に潜ると、透視度が悪くて数メートル先さえ見えないこともあるので、海の一部をそのまま切り取って水槽として展示しているような感じがしてお気に入りです。ぜひ、晴れた日も雨の日も楽しんでほしいですね。

ダイビング体験ができる!

2つ目の特徴は、なんとダイビング体験ができてしまうことです。

この水族館は地元のダイビングショップと提携していて、体験ダイビングができます。筆者は生きものを眺めるときに「この生きものがいちばん美しく見える角度は?」といった観察をします。イワシの群れは、下から眺めるのがお気に入りです。

写真:下から見たイワシの群れ

イワシは仲間と1ヵ所に集まり、みんなが同じ方向を向いた集合体を作ります。そうして自分たちの身体を大きく見せて大きな魚などに襲われにくくし、狙われたときにも特定の個体にターゲットを絞らせないようにしています。

このような狙われない工夫をしていても、ときには大きな魚が容赦なくイワシの塊に突っ込んできますが、二手に分かれて見事に回避します。そして、また集まって群れとなり、ふたたび自らを大きな塊に見せるのです。力が弱く、魚の生態ピラミッドでは最下層にいるイワシならではの、生きる術ですね。

イワシの群れは魚に狙われたときだけではなく、泡などにも驚いて分散してしまいます。なので、下からイワシの写真を撮るときには、息を止めて、背面泳ぎしながら撮影しました。

写真:下から見たホシエイ


ヨシキリザメ

仙台うみの杜水族館に、世界で最も美しいサメともされる「ヨシキリザメ」が展示されているのはご存知でしょうか。

ヨシキリザメは、背中付近の鮮やかな青色が特徴のサメで、英名では「blue shark(青いサメ)」と呼ばれます。仙台うみの杜水族館では、80センチメートルほどの個体が展示されています。

マンボウの水槽と一緒に展示されていることから、大きなマンボウを見て満足してしまうお客さんも多いのですが、サメ界の大スターが日本で唯一展示されているのに……と、もったいなく感じてしまいます。ヨシキリザメが今ここに展示されていることに感謝しながら、その美しさを観察したいですね。

写真:ヨシキリザメ

仙台うみの杜水族館
https://www.uminomori.jp/umino/

【文・写真】
あき
1996年大阪府生まれ、東京都在住。水族館や水中、音楽ライブの撮影のほか、雑誌、Webメディアへの寄稿などを行う。2017年、水族館の生きものを綺麗に撮影したいと思い、写真を始める。2023年、国際フォトコンテスト8TH 35AWARDS「UNDERWATER PHOTOGRAPHY」で100Best photo選出、Top35 photographers選出。『幻想的な水族館の世界カレンダー2024』(緑書房)が好評発売中。
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