Beautiful World:日本の水族館【第6回】アクアマリンふくしま

今回は「Beautiful World:日本の水族館」の第6弾!

福島県いわき市にあるアクアマリンふくしまの見どころを紹介します。

潮目の大水槽

「潮目の大水槽」は、太平洋側を流れる暖流の黒潮と、寒流の親潮をテーマとした、アクアマリンふくしまで最も大きな水槽です。

「黒潮の水槽」と「親潮の水槽」の2つの水槽が三角形のトンネルで仕切られており、海の中を歩くような気持ちで生きものを観察できます。

写真:三角形のトンネルから水槽内を観察できる

黒潮の水槽

トンネルの写真の右側が黒潮の水槽です。表層ではマイワシが群をなして泳いでおり、中層から下層にかけてカツオやマグロが泳いでいます。

太陽光が差し込むよう設計された水槽なので、晴れた日には表層で光を浴びたマイワシ達がキラキラと輝き、たまりません。

写真:太陽光できらめくマイワシ

他の水族館ではなかなか観察できない、カツオの模様を見ることもできます。カツオには、光を浴びると背びれから尾びれにかけて青く光り輝く特徴があります。また、マイワシの捕食中など興奮しているときに太い横縞模様が浮かび上がるのです。

なお、魚の模様は頭を天に向けたときの見え方を基準にします。泳いでいるときは縦縞に見えるカツオですが、実は呼び方は横縞なのです。

写真:太い横縞模様が浮かび上がったカツオ

親潮の水槽

トンネルの左側にあるのは親潮の水槽で、ウミタナゴ、カレイ、ホウボウなどを見られます。回遊魚が多い黒潮の水槽と比較するとあまり泳ぎ回らない生きものが多く、魚類における違いを体感できます。

写真:親潮の水槽でゆったりと泳ぐカレイ

潮目の海

「潮目の大水槽」の前には、土日祝に営業している「潮目の海」というお寿司屋さんがあります。

このお寿司屋さんには「海洋資源の持続可能な利用」というメッセージがこめられています。お寿司のねたは、資源量の安定した魚を中心に提供されています。

写真:水槽を眺めながらお寿司を食べられる

世界で唯一の「サンマ」常設展示

私たちが身近に感じており、旬である秋には食卓を彩るサンマですが、生きている姿を見たことがある人は少ないのではないでしょうか。

サンマの生態はいまだ多くが謎に包まれており、飼育や繁殖がとても難しいのですが、アクアマリンふくしまでは長期展示および繁殖に成功しています。訪れた際は、薄暗い水槽できらめくサンマの群れを観察してみてください。

写真:薄暗い水槽を泳ぐサンマ

まるで『スイミー』の世界!

写真:群れで泳ぐキンメモドキ

アクアマリンふくしまの「サンゴ礁の海」には、キンメモドキという体長6センチメートルほどのオレンジ色の魚が展示されています。キンメモドキは仲間同士で大きな群れを作る習性があり、水槽の中はまるで絵本『スイミー』の世界のようです。

ダイビングで水中洞窟などを探検すると、岩場の影で群れをなして暮らすキンメモドキの姿を見られることがあります。視界一面に広がる魚の群れはいつ見ても大迫力です。そんな光景を、アクアマリンふくしまではアクリルガラス越しにじっくり観察できます。

ほかにも、時期によってオオメンダコやバショウカジキなどの珍しい生きものを近くで見られます。素晴らしい水族館なので、ぜひ訪れてみてくださいね。

アクアマリンふくしま
https://www.aquamarine.or.jp/

【文・写真】
あき
1996年大阪府生まれ、東京都在住。水族館や水中、音楽ライブの撮影のほか、雑誌、Webメディアへの寄稿などを行う。2017年、水族館の生きものを綺麗に撮影したいと思い、写真を始める。2023年、国際フォトコンテスト8TH 35AWARDS「UNDERWATER PHOTOGRAPHY」で100Best photo選出、Top35 photographers選出。『幻想的な水族館の世界カレンダー2024』(緑書房)が好評発売中。
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