猫とのほほん日和【第7回】島の子猫の思い出が蘇る

最近、瀬戸内海の島を訪問しました。時間があったものですから、出会った猫にあいさつしたり、島の路地をぶらぶらしたりしていているうちに、島の風とともに懐かしい思い出が蘇ってきました。

子猫の思い出

この島には数年前まで路地にたくさんの猫がおり、その猫のまわりには島民の優しいお父さんやお母さんがいました。私の主観ではありますが、野良猫や半野良の猫は、基本的に優しい人に寄ってきます。まわりに猫が集まっているお父さんとよくお話をしたものです。

その頃、白い子猫のきょうだいと母猫に出会いました。母猫の留守中に2匹で仲良く遊んでいる姿をよく見かけましたが、子猫ながら意外にたくましいところもあり、お母さんを守ろうとして必死にこちらを威嚇してくることもありました。

出会った猫をよく観察すると、その猫の性格などが見えてきて面白いものです。この猫も、お母さんに甘えるときはしっかり甘えていますね。

かつての子猫とひさしぶりの出会い

かつての子猫も今ではすっかり成長しました。それでも、島に行くたびに子猫時代を思い出します。

この猫はシロといいます。声をかけると「にゃー」とこちらに来てくれる猫です。特徴的な目をしていて、なでなでしてあげると目がニコッとします。

シロがくつろぎながらこちらの様子を伺っているのを見つけて、すかさず「ひさしぶりーっ!」と声をかけました。すると、しっぽを立てながら「にゃんだ、にゃんだ」と寄ってきてくれました。

シロは遊び好きかつやんちゃな性格で、甘えたがりでありながらもツンデレ風です。かれこれ20回以上は通っている島ですが、毎回かならずシロに会いに行きます。

シロのきょうだいや仲間も優しい猫ばかりで、それぞれに関係性があります。人間模様ならぬ猫模様を感じながら撮影できました。

【文・写真】
山本正義(やまもと・まさよし)
大阪在住の猫写真家。猫が立ち上がる瞬間をとらえた「立ち猫」写真でブレーク。ちょっぴり力の抜けた「脱力猫」、凄い勢いの「猫来る」、気の抜けた感じの「舌猫(ぺろにゃん)」、猫が集団で行進する「ずんずんずん」など、愛らしい猫たちをとらえた写真とユニークなワードセンスがSNSなどで注目を集めている。写真展、メディア出演、講演などで各地を飛び回る日々。写真集に『立ち猫』(ナツメ社)。また、『立ち猫カレンダー2024』(緑書房)も好評発売中。
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