とっても賢い海の生きもの(鳥羽水族館)
ラッコはこんな生き物
日本では北海道東部の沿岸に生息するラッコは、いくつかの亜種に分類され、国内で飼育されている個体はアラスカラッコ(ラッコ属ラッコ亜種・Enhydra lutris kenyoni)です。野生ではおもに2枚貝、ウニ、甲殻類などを主食にしているほか、動きの遅い魚を食べることもあります。
ラッコは絶滅危惧種に指定されており、国内では3頭のみが飼育されています。鳥羽水族館で飼育しているのは、メイ(19歳、メス)とキラ(15歳、メス)の2頭です。
※情報は2024年3月時点のものです。
メイは鳥羽水族館で生まれたラッコで、臆病な面もありつつ、何にでも興味を示す性格です。キラは2021年にアドベンチャーワールドから来たラッコで、マイペースでおっとりした性格です。飼育下でのラッコの平均寿命は大体20歳前後といわれていますが、2頭ともまだまだ元気に過ごしています。メイはキラのことが大好きで、キラが2つのプールを行き来するときは追いかけて一緒に移動しています。
ラッコの日常
9時30分(時期によっては9時)に開館します。9時40分、13時、16時20分の計3回、30分ほどの「お食事タイム」があり、メイはイカ、カジキ、タラ、エビ、カニを食べています。キラは好き嫌いがあり、食べ物を選びます。おもにイカとオオアサリを主食としており、ホタテの貝柱を食べることもあります。13時には2頭ともにオオアサリのみをあげるなど、毎回餌の種類を変えています。お食事タイムでは健康チェックの一環として、お客さんの方を向いて「いただきます」をしたり、ガラス面にタッチをしたり、上陸して後ろ脚で立ってポーズを決めるなど、多彩な動きを見せてくれます。
お食事タイムが終わった後の2頭は、グルーミング(毛づくろい)に取り掛かります。グルーミングが終わったあとは、上陸してお昼寝したり、水面でうとうとしたりします。ラッコには昆布やケルプを体に巻いて眠るイメージがありますが、野生では昆布のないところに生息しているラッコもたくさんいるため、必ずしも必要ではないようです。ほかの時間は、餌のかけらを探す、貝殻を拾うなど、それぞれ自由な時間を過ごしています。
飼育員さんの小話
ラッコは海の生物で1番毛が多く、8億~10億本あると言われています。皮下脂肪があまり厚くないかわりに、毛の中に空気の層をつくることで、冷たい水に体温を奪われないようにしています。そのため、濡れた毛もとても柔らかいです。
上記のことから、ラッコにとって毛の汚れは致命的になります。なので、ラッコのプールには水質を保つためのろ過装置がたくさんあり、飼育員が毎日、チェックや掃除をしています。寒いところに生息している動物なので、水温管理にも気を使っています。
飼育員さんが教える見どころ
ラッコはとても賢い生き物です。飼育員からのハンドサインや声での指示出しを的確に理解して動いてくれますし、目をしっかり合わせてくれることもあります。飼育員も見わけていて、まだ慣れていない飼育員が指示を出すと、「この人は何を伝えたいのかな」と考えてくれます。海の動物で唯一手を使えることもあり、とても器用な動物です。お食事タイムでは、このようなラッコの賢さや能力が見られるように工夫しています。ラッコのお食事タイムについては、公式サイトを確認してみてください。
【文・写真】
鳥羽水族館
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