今回は、アメリカ・ニューメキシコ州の町マドリッドの文化と犬たちを紹介します。
アメリカの宝石
ニューメキシコ州の北部に位置するサンタフェは、玄関口ともいえるアルバカーキー空港から車で約1時間の都市です。赤土の日干しレンガで丸みのある角をもつアドビ建築で統一された特有の街並みや、その歴史から、文化の香る神聖な土地として、アメリカでも人気を誇る場所のひとつとなっています。
空港を降り立ち、一目で鮮やかな青い空とオレンジの土や建物に魅了され、この地が「アメリカの宝石」と言われる理由が理解できました。
ハイウェイで一気にサンタフェに向かうのもよかったのですが、砂漠の高地をドライブできる絶好の機会でしたので、シーニックルートの14号線を北上します。14号線はTORQUOISE TRAIL(ターコイズ・トレイル)と呼ばれる、山に囲まれたルートです。走ること40分で、マドリッドの町に到着しました。
アート作品から抜け出したような犬たち

かつては炭鉱の町だったマドリッドは、その後ゴーストタウンとなっていました。しかし、現在はヒッピーアートの町といわれており、映画のロケ地となったこともあります。赤、ピンク、黄色、ターコイズに塗られた建物が、ギフトショップ、アートギャラリー、カフェ、レストランとして連なっています。

そのようなカラフルな町で、犬たちに出会いました。町をにぎやかす観光客たちに慣れているのか、警戒して吠えることもなく、穏やかに静かに過ごしていました。
その姿は、まるでアート作品から抜け出してきたようです。どこを切りとっても絵になる犬たちに、思わず見とれてしまいました。

マドリッドでの犬たちとの出会いは、サンタフェまでの道のりの序章にすぎません。次回以降の連載では、ニューメキシコ州で出会ったさまざまな犬たちと、その風景をご紹介していきます。

【写真・文】
蜂巣文香(はちす・あやこ)
写真家。犬、猫、コンパニオンバードなどのペット写真をはじめ、手仕事やライフスタイルなどさまざまな分野で“伝わる”写真を日々撮影している。広告や雑誌、書籍、WEBなど幅広く活躍中。欧米を中心とした海外での撮影経験も豊富。愛犬雑誌「Wan」(緑書房)でもおなじみのカメラマンで、柴犬をモチーフにしたカレンダーシリーズ「しばいぬ(卓上)」「日本の柴犬(壁掛け)」「黒柴(壁掛け)」(緑書房)も毎年好評を博している。
Instagram:dogtionary_hachi
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