フォトエッセイ 猫に呼ばれて世界の街へ【第18回】『悪天候ならではの出会い?!』(タイ)

旅の計画を立てる際には、行きたい場所のベストシーズンを調べて時期を決めるようにしています。しかし、天気ばかりは思い通りになりません。今回紹介するタイ・プーケットの旅もその一つ。乾季の真っ只中を狙って訪れたにもかかわらず、ほぼ一週間どんよりとした空、そして雨風に悩まされた旅でした。

プーケットはタイ南部のアンダマン海に面するタイ最大の島。リゾート地として知られる島を代表するパトンビーチ周辺は、常に賑わっていました。

街にはそこそこの人通りがありますが、果たして猫に出会えるのでしょうか。
南国らしい日差しがなくスッキリしない天気ではありましたが、そのおかげか猫たちは活動的で、外で思い思いに過ごす姿を見ることができました。

ゾウの像と猫が並ぶ、いかにもタイらしい光景にも出会えました。

プーケットの散策を楽しんだあとは、近くのピピ島にも足を伸ばしてみることにしました。大雨の中ボートに乗り込み、ピピ島ではどんな出会いが待っているのか期待が高まります。
雨で気温が下がったおかげか、店先でぐっすり眠る猫を多く見かけました。

お店の入り口では黒猫が無防備に寝ていました。その姿に「踏まれたりしないかな?」と心配になりましたが、店を出入りする人たちはみんな自然と猫を避けていきます。きっと、存在感のある寝相のおかげですね。

雨が上がると、砂浜では子猫が元気に遊んでいました。

顔に砂を付けた子猫も砂浜を駆け回っていたのでしょう。やはり曇っていたほうが、猫にとっては過ごしやすく、活動的になるのかもしれませんね。

夜には、港で猫と一緒にのんびりと過ごしました。ロングテールボートが並ぶ穏やかな光景が印象的です。

そして、プーケットで外せないものがスキューバダイビング。太陽が出ていないので水中は暗かったものの、魚影の濃さに圧倒されました。アンダマン海の水中世界は本当にカラフルで、驚きの連続でした!

振り返ってみると、「晴れていたらもっと良かったのに」と思う瞬間も確かにありました。でも、悪天候だからこそ出会えた猫たちや、雨が運んでくれた静けさが、旅の思い出をより深いものにしてくれたように感じます。
近いうちにリベンジ旅行を目論んでいます。そのときは、ザ・南国の絶景を存分に楽しみたいものです。

【文・写真】
町田奈穂(まちだ・なほ)
埼玉県出身。世界中を旅しながら、地域の猫を撮影している。猫の表情や仕草、猫が暮らす環境の色と光に重点を置いた写真が特徴。2023年に世界一周旅行を達成し、初の個展を開催。その他、企業カレンダーやグループ展など精力的に活動中。
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