汽水環境で生息し、バクテリアなどを食べて生きている小さなエビ、スカーレットシュリンプ。「ピクシーシュリンプ」や「ホロホロシュリンプ」とも呼ばれます。
今回は、そんなスカーレットシュリンプの魅力をご紹介します。

環境次第でお世話いらず?
ハワイ原産の彼らが生息しているのは、海岸にできる潮だまりのような場所です。海水と雨水が混じり合ってできる汽水に、溶岩石から溶け出した成分が含まれた特徴のある水です。

スカーレットシュリンプは寿命が長く、飼育しやすいという特徴もあります。このような瓶でも十分に飼育が可能で、条件が整えば水換えやエサやりの必要はありません。
潮だまりに生息しているので、水が長期間変わらない場所で留まっていても問題はなく、底や壁面に発生するバクテリアや微生物、コケなどを食べて生きることができます。飼育環境下で12年間も生きた例があるそうです。
飼育方法
水温
スカーレットシュリンプの飼育には25度前後の水温が適しています。寒さに弱いため、水温が18度以下になると動きが鈍くなり、死んでしまうこともあります。特に生まれたての小さな個体は弱いので、なるべく暖かい環境を用意してあげましょう。
大人の個体の場合は、低水温で仮死状態のようになっても、再び水温が上がると復活して活動し始めることがあります。動きが鈍くなった場合には一度、温度が上がる環境にして様子を見てみると良いでしょう。
繁殖
大きな条件は水質などの環境ですが、春先などの日が長く暖かい時期に繁殖しやすくなるようです。
環境条件が合うと抱卵し、親は真っ赤な卵を腹側に抱いたまま過ごします。1匹が抱卵するのは10~20個くらいで、約1ヶ月後、卵が孵化して幼生が出てきます。幼生は頭を下にして水中を浮遊します。

幼生は約3週間の浮遊生活を送った後、親と同じような姿になって着底します。幼生も着底した稚エビも特別エサを与える必要はなく、バクテリアや自然に発生するコケなどの藻類を食べて成長します。

少し広めの容器に移すと、子どものまた子どもが生まれて気が付けばエビでいっぱい! ということもあります。
おわりに
小さなスペースで飼育ができる、数少ないいきものです。水質や水温などの基本的な管理を行って環境を整えれば、エサも不要なのでアクア初心者にもおすすめです。この小さなエビを、身近な距離で楽しんでみてはいかがでしょうか?
[出典]
・これまで以上に楽しいスカーレットシュリンプとは!?…https://www.kamihata-online.com/shop/e/e11t00300/#Opae%20ula,Halocaridina%20rubra-3
【協力】
神畑養魚株式会社
観賞魚を中心に爬虫類・両生類・鳥・小動物などの生体卸や、観賞魚用品の輸入販売、観賞魚の養殖を事業の柱としている。
「いきもののわ」では、ペットや動物関連イベントなど、いきものにまつわる情報をお届け中!