大好評の「動物業界のお仕事」を紹介する本企画。
今回は、鳥取県畜産試験場で公務員獣医師(研究員)として働く相見さんに、1日の業務や就職までの経緯、この仕事を目指す人へのアドバイスなどをお聞きしました!

1日の流れについて教えてください!
私は畜産試験場に所属しており、現在は子牛の哺乳量による発育の違いについての試験研究に取り組んでいます。
業務を開始するのは8時半からです。朝礼でその日の作業内容を確認してから、子牛牛舎での作業が始まります。
子牛に乾草や配合飼料(ペレット状の餌)などを与えつつ、昨晩与えた餌の残り具合や朝の食いつき方を見て体調を確認します。その他にも哺乳や水替えなどをして、10時頃に朝のお世話が完了します。

毎週火曜日は、10時から牛の身体測定や採血をして、成長具合の確認と記録をしています。
また、午前中はその日の朝に確認した体調の悪い牛の診察をします。必要に応じて注射や点滴といった治療をします。

昼休憩後、13時から子牛の哺乳や餌の計量、14時から1時間程は事務所に戻り、子牛の登録書類の記入や試験研究のデータ整理などの事務仕事をします。
15時から朝に与えた餌の残りを回収して、朝と同様に新しい餌を与えます。
私は育児のために時短勤務をしているので、16時30分に業務を終え、保育園へ子どものお迎えに行きます。

仕事のやりがいを教えてください!
子牛の体調や、食べ具合に気を配りながら育てることは本当に難しいですが、状態の良い子牛を育てて、農家さんから良い評価をもらえたときなどはとても嬉しいです。
人間の子どもと同じで、子牛にもそれぞれ性格や好き嫌いなどの個性があります。生まれたときから名前をつけて育てていくので一頭一頭に愛着が湧きます。
また、研究成果をまとめて、農家さん向けに子牛の育成指導や講演も行います。「教えてもらったやり方で生産性が上がったよ」と、農家さんから感謝の言葉をもらった際には、やりがいを感じます。今まで身に着けてきた知識や技術を活かせる場面が多く、獣医師として働いた経験がどの職場でも積み重なっていっていると、日々感じます。
どうしてこの職に就こうと思ったのですか?
物心がついたころから獣医師を目指していました。父方の祖父が獣医師で母方が牛農家であったことも、無意識に影響していたのかもしれません。自宅で動物を飼っていたわけではなかったのですが、幼少期から動物が好きで、いきものに携わる仕事に就きたいと思い、自然と獣医師に憧れるようになりました。
大学卒業後、4年半ほどは小動物の臨床獣医師として働いていましたが、公務員獣医師の道へ進んだ友人たちの話を聞き、仕事内容や福利厚生の充実に魅力を感じて転職しました。
就職までの経緯を教えてください!
幸運なことに、出身地である鳥取県に獣医学科のある鳥取大学があり、入学することができました。3年生までは実習や講義で獣医学の基礎を学び、4年生からは講義などと並行して研究室に所属し、卒業論文作成に向けて興味のある専門分野での研究をしました。私は公衆衛生学の研究室に所属していましたが、他に薬理・寄生虫・解剖学、臨床系の内科・外科・繁殖学などさまざまな研究室がありました。卒業論文を提出して獣医師国家試験に合格した後は、動物病院で働きながら鳥取県の採用試験を受けて転職しました。転職後は、県の獣医師職の配属先の一つである家畜保健衛生所に1年勤め、産休・育休を挟み、復職して1年後に人事異動で畜産試験場に配属されました。
この職を目指す学生さんに、伝えたいことはありますか?
獣医師といえば、動物病院の先生というイメージが強いと思います。私自身、小動物が好きでこの職業を目指したので、大学在学中は公務員獣医師の仕事について情報を集めることもなく、仕事が単調そうだという思いを抱いていました。
しかし、そのようなことは全くなく、日々変化に富んだ業務に携わることができ、獣医師としての知識や経験、仕事の幅が広がっていくことを感じました。獣医師になるためには受験で狭き門を通り、その後もたくさんの勉強が必要です。それでも、いきものの命や病気、それらと人間の生活の関わりにふれられるこの仕事は、本当に魅力的でおもしろい職業だと思います。
相見千恵子(あいみ・ちえこ)
鳥取県畜産試験場勤務
ホームページ:https://www.pref.tottori.lg.jp/kachiku-boueki/
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