フォトエッセイ 猫とのほほん日和【第4回】海外編 行きタイ、逢いタイ猫たち

4年ぶりの会いタイ猫たち

先日、4年ぶりのタイ旅行に行ってきました。

自由なひとときを求めて海外をしばしば訪れていたことも、以前はありました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の流行によって、近頃すっかり海外旅行はご無沙汰していたのです。その間も、あの猫はどうしているかな、あの猫の周りの人は元気にしているかな、海外の空気が吸いたいな、あの景色が見たいな、といったことばかり考えていました。

気分を高揚させたまま日本を出発し、久しぶりのバンコクに到着しました。

サワディッカップ(こんにちは)!

タイに着いてからは、ひたすら猫と触れ合いました。猫と触れ合うと、やはり心が落ち着きます。

(タイを含め、東南アジアは狂犬病などもありますので、くれぐれもご注意を。僕は狂犬病と破傷風のワクチンを打ってあります)

以前のタイ旅行で、猫がたくさんいる寺院を知りました。その寺院では、打ち解けてくれた猫と遊んだほか、働いている人や猫が好きな地元の少年と仲良くなって親切にしてもらいました。なので、タイを訪問できない期間も、猫と彼らのことが気がかりでした。

4年の間に、バンコクの交通事情は大幅に発展していました。以前はその寺院に行くために船やバスを使う必要があったのですが、地下鉄で行けるようになっていたのです。

時間短縮、コップンカップ(ありがとう)!

寺院に着くと、もういないかもしれないなと心配していた猫が出迎えてくれたため、ほっとしました。残念ながら平日だったせいか、猫好きの少年とは会えませんでした。

スパイ人間とスパイ猫

また別の日のことです。バンコクで路地裏にふらふら入ると、人懐っこい猫が近づいてきて、たちまち僕と意気投合しました。人間に登るのが好きな子のようで、僕の足を登ってきそうだったので、一緒に遊んであげることで回避しました。

ずっとひっついてきていたのですが、しばらく遊んであげたところ、ようやく離れていきました。

その猫の日常を知りたいと思った僕は、少し隠れて猫の様子を見守ることにしました。まるでスパイですね。猫は、周りがお昼ご飯の準備をはじめたからか、そわそわしている様子です。

スパイ気分でじーっと見続けていると、猫が立ち上がりました!

どうやら、ご飯ができるのを待っていたようです。僕よりも猫の方がスパイめいています。

お鍋の中をチェックしている猫に、屋台のお母さんが「ご飯はダメー!」と言っていました。そう言われても、猫はご機嫌なままですね。どれどれ、今日の料理は何かな? というご様子です。

屋台のお母さんは「猫は可愛いけど、毎日大変なのよ」と笑顔で言っていました。言葉が完全に理解できたわけではないのに、なぜか言っていることはわかりました。

そのやり取りから、猫との日常風景が見えてきました。

各国の人と猫でつながる

猫とコミュニケーションを取っていると、各国の人が猫を通じて話しかけてくれます。

寺院では、ドバイからきた男性が、猫が大好きなのだと話しかけてくれました。彼はツンデレな猫にも笑顔でした。僕も見習わなくっちゃ!

さらに彼は、お家にいる愛猫の写真も見せてくれました。言葉が分からないのに、可愛い愛猫の写真でつながることができました。

一期一会という言葉があります。今回の出会いは、猫がつないでくれたものだと思いました。

今回はここまで。バンコク編は、次回も続きますので、お楽しみに!

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【文・写真】
山本正義(やまもと・まさよし)
大阪在住の猫写真家。猫が立ち上がる瞬間をとらえた「立ち猫」写真でブレーク。ちょっぴり力の抜けた「脱力猫」、凄い勢いの「猫来る」、気の抜けた感じの「舌猫(ぺろにゃん)」、猫が集団で行進する「ずんずんずん」など、愛らしい猫たちをとらえた写真とユニークなワードセンスがSNSなどで注目を集めている。写真展、メディア出演、講演などで各地を飛び回る日々。写真集に『立ち猫』(ナツメ社)。また、『立ち猫カレンダー2024』(緑書房)も好評発売中。
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