ベルギーの首都であるブリュッセル。美しい建築物、芸術、ビール、ムール貝、さらにはワッフルやチョコレートが世界中で有名です。旅行の楽しみのひとつである食はもちろんですが、ぜひ訪れたいのが市民の生活を垣間見ることができる蚤の市(のみのいち)です。

ブリュッセルの主要な鉄道駅であるブリュッセルミディ駅に降り立つと、ワッフルやガレットを焼く甘い香りに包まれます。早速、白い粉砂糖が振りかけられたワッフルを口に運びながら、東口からジュドバル広場へと向かいました。
蚤の市は、週末のみの開催が一般的ですが、ブリュッセルではなんと毎日開催されています。さらに、屋外にもかかわらず、天候に関係なく行われます。
朝9時になると、広場は活気に満ち始めます。広場を囲むように設置された赤と緑のカラフルなテントが開き、アンティークショップの店主が花器やお皿を並べてオープン準備を始めます。そのすぐそばには、用意されたベッドに座るスパニッシュ・グレーハウンド。非常に穏やかな女の子で、お客さんが目あての品を探している様子をじっと見つめていました。そんな賢い犬を見ていると、店主が「Belle(ベル:美しいの意)と名前を呼んであげて」と言ってくれました。「Belle」と呼ぶと、カメラのほうを見てくれて、朝から幸せな時間だなと感じました。

喜びに浸りながら後ろのテントをのぞくと、真剣な表情で品定めをしている男性がいました。彼の足元には凛とした姿で立っているスムース・フォックス・テリア。その先には、キャメル色のレザージャケットに、ヒールの高いブーツをはいたスタイリッシュな女性とバセー・ブルー・ド・ガスコーニュ。さらに、花柄の素敵なコートを羽織ったマダムとブルドッグ。

蚤の市を楽しんでいる飼い主と犬たちの姿が、次から次へと目に飛び込んできました。日本ではなかなか見ることができない希少な犬種に出会え、興奮が止まらず犬たちに釘付けになっていると、気が付けばお昼が過ぎていました。
ジュドバル広場からポワンソン通りを真っ直ぐ進み、世界遺産であるグラン・プラスに向かいました。グラン・プラスまでは徒歩で約20分の距離でしたが、その途中でフレンチ・ブルドッグやジャック・ラッセル・テリア、ケアーン・テリアなど、さまざまな犬種に出会いました。
グラン・プラスまであと数分というところで、ムール貝とビールを楽しんでいる男性と犬を見かけました。時折犬に話しかけながら食事をしている姿は、素敵な関係だと感じました。

その後、有名な「小便小僧」や、ベルギー出身の漫画家・エルジェ氏が生み出した『タンタンの冒険』の壁画も見つけました。


広場に到着すると、ここでも飼い主と一緒にいるブル・テリアやプーリーに出会いました。
まるで、生きた犬図鑑を見ているような気持ちになるほど、ブリュッセルは犬の楽園でした。

【写真・文】
蜂巣文香(はちす・あやこ)
写真家。犬、猫、コンパニオンバードなどのペット写真をはじめ、手仕事やライフスタイルなどさまざまな分野で“伝わる”写真を日々撮影している。広告や雑誌、書籍、WEBなど幅広く活躍中。欧米を中心とした海外での撮影経験も豊富。愛犬雑誌「Wan」(緑書房)でもおなじみのカメラマンで、柴犬をモチーフにしたカレンダーシリーズ「しばいぬ(卓上)」「日本の柴犬(壁掛け)」「黒柴(壁掛け)」(緑書房)も毎年好評を博している。
Instagram:dogtionary_hachi
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