フォトエッセイ 猫に呼ばれて世界の街へ【第32回】青の都へ(ウズベキスタン)

前回は2025年を振り返りましたが、今回はシルクロードの旅の続きに戻ります。

ジョージア、アゼルバイジャンを経て、ウズベキスタンへ向かいました。アゼルバイジャンの首都バクーからウズベキスタンの首都タシケントまでは、およそ2時間半のフライトです。軽食とは思えないほどの量の機内食が出てきて、食べているうちにあっという間に到着してしまいました。

タシケントは都会で車通りも多く、この様子だと猫にはあまり会えないかもしれないと思いながら歩いていました。しかし、静かそうな場所に入ってみると猫の姿を見かけ、市場でもその存在を感じることができました。ジョージアやアゼルバイジャンの猫たちもゆったりとしていましたが、ウズベキスタンの猫は、さらにゆったりしているように見えました。それが、この国で最初に抱いた猫への印象です。

タシケントをあとにして向かったブハラの旧市街は、足を踏み入れた瞬間から空気が変わりました。建物の色合いは落ち着き、時間の積み重なりが感じられます。そして、猫の姿も自然と目に入るようになりました。観光客が行き交う通りやバザール、広場の片隅などで猫たちはくつろいだり、気ままに歩いたりしています。

ブハラには、歴史的なイスラム建築が多く残されています。モスクや神学校のような建物が点在し、徒歩でさまざまな建物を見て回れる、サイズ感もちょうどいい街でした。

そのような環境の中で、猫たちはのびのびと暮らしていました。その自然さが、印象に残りました。

ちなみにブハラで特に惹かれた建物は、ボロハウズモスクでした。石造りの建築が多い中、木造のモスクは柔らかく落ち着いた雰囲気を醸し出していました。

次に向かったサマルカンドは、街の印象がさらに変わります。建物のスケールは一段と大きくなり、視界に入ってくる色彩も鮮やかになりました。

写真や映像で見てきたはずの風景ですが、実際に目の前に立つと、その大きさと迫力はまったく別物でした。レギスタン広場、シャーヒ・ズィンダ廟群、グーリ・アミール廟など、どの建物も強い存在感を放っていて、しばらく圧倒されて立ち尽くしてしまいました。特に青色は言い表せないほど多彩で、濃淡や質感の異なるタイルを前に、いったい何種類の青が使われているのだろう、これが「サマルカンドブルー」なのかと考えながら見上げていました。

サマルカンドでは、ブハラほど猫の姿を見かけることはありませんでしたが、それでもカフェやお土産屋さんなどで出会うことがありました。

タシケント、ブハラ、サマルカンド。どの街でも日本人観光客の姿を多く見かけました。人気が高まっているとは聞いていましたが、実際に訪れてみるとその実感がありました。

そしてウズベキスタンでも、ザクロは何度もその姿を見せました。市場ではザクロジュースの屋台を見かけ、伝統料理のプロフにも添えられていました。ザクロの赤い実は街と街をつなぎ、猫を探して旅をする私を青の都へと導いてくれたように思います。

ジョージア、アゼルバイジャン、そしてウズベキスタン。どの国も、私にとっては初めて訪れる場所でした。旅のはじまりではヨーロッパの要素を感じていましたが、東へ進むにつれて、アジアの要素をだんだんと濃く感じるようになりました。そのような変化を感じられることも、旅の面白さですね。

【文・写真】
町田奈穂(まちだ・なほ)
猫写真家。水中写真家・鍵井靖章氏との出会いをきっかけにカメラを始める。「猫×彩×旅」をテーマに、世界中を旅しながら各地で出会った猫たちを撮影。これまでに35ヶ国以上を訪れ、2023年には念願の世界一周を果たす。2023年、2024年に富士フォトギャラリー銀座にて個展を開催。その他企画展やSNS等を通じて作品を発表している。
Instagram:cat_serenade
X:naho_umineko

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