犬・猫や家族、友人との何気ない日常を面白おかしく描いたブログで人気を博している漫画家・まめきちまめこさん。ブログやSNSに掲載される漫画は、個性的な犬や猫たちが表情豊かに描かれ、犬・猫と過ごす幸せな時間を想像させます。
今回は、まめきちまめこさんに犬や猫と暮らすうえで普段から気を付けていること、健康面で注意していることなどをお聞きしました。
書籍・アニメ化もされる人気漫画家
―プロフィールを教えてください!

毎日ブログで漫画を描いていて、友人や家族、一緒に暮らしている犬や猫との日常を題材にしています。
今は猫の「タビ」、「メロ」の2匹と暮らしています。

―漫画に登場するワンちゃん、ネコちゃんについて教えてください!

2022年の末に亡くなってしまった犬の「こまち」、同年に亡くなった猫の「シンバ」、そして今いる猫の「タビ」と「メロ」です。


こまちは11歳のゴールデンレトリバーです。体は大きいのですが、性格は大きな赤ちゃんのようでした。


シンバは車道の真ん中でうずくまっていたところを拾いました。そのため年齢不詳ですが多分老猫で、ちょっとのことでは動じないおばあちゃんでした。


タビは子猫の頃に車のボンネットにいたところを保護しました。現在8歳です。とても繊細で「The 女の子の猫」という感じです。


メロも子猫の頃にスーパーの駐輪場にいたところを保護しました。現在5歳です。肝が据わっていて食欲旺盛で、いつもタビのごはんを奪おうとします。

―漫画を描くうえで大切にしていることはありますか?

一日の終わりに読んでくすっと笑って欲しいという考えがあるので、そのお話の中に「敵」がいないかを気を付けています。まめこや家族以外の誰かにヘイトが向かないように心がけているので、他人の話を描くときは注意しています。そのため、家の中やペットの話が多くなっている部分もあります。
―こまちは四足歩行ですが、猫たちは二足歩行で描かれています。犬と猫であえて描き分けているのでしょうか?

猫を飼い始めた当初、猫のことが全く理解できていなかったので二足歩行の「キャラクター」として描いていました。ただ、今ではずいぶん猫の性質を理解できてしまっているので、二足歩行が描きづらくなっています(笑)。

―長く続けているからこその悩みですね。

このキャラクター性を活かして、タビとメロを主人公とした絵本『メロとタビ』を描きはじめました。

―犬と猫と暮らすうえで気を付けていたことはありますか?

こまちがいた頃は、猫3匹ともこまちをボスとして考え、尊重していたので困ったことはありませんでした。
こまちが亡くなって一家のボスがいなくなってしまったからか、最近一時的に子猫を預かった際に、メロが全く受け入れてくれなくて大変でしたね。
―ごはんは年齢順であげることが多いと聞いたことがありますが、いかがですか?

最初の頃は年功序列であげていたのですが、近ごろは辞めました。ごはんを用意していると、メロが足元で待っているんです。先にタビにあげるとメロに取られてしまうので、メロへ与えてその次にタビの順にしています。タビにはしっかりと食べてほしいので個室で食べさせたり、取られないように見張ったりしています。
―漫画のままで感動しています(笑)。

幸せに一生を過ごしてほしい
―健康面で気にされていることはありますか?

若いうちから猫にも健康診断を受けさせています。血液検査のおかげでメロの中性脂肪が高いことが判明したので、早いうちから受けておいてよかったと思っています。
―動物病院に行くときに気を付けていることはありますか?

こまちが脳腫瘍で病院通いしていたときはシニア期だったので、家族の所有する車の中でも車高が低い車を選んで、こまちが車に乗り込むときに、すねをぶつけないように気を付けていました。
人間でもすねを打ったら痛いので!
―とても優しい心遣いですね!

犬のこまちは、途中まで散歩だと思っていたりしてすんなりと車に乗り込んでくれていましたが、猫はキャリーケースに入れた段階から嫌がるので、自分でわかるような些細な症状のときはあまり無理に連れて行かないようにしています。
それから、外耳炎などの繰り返しかかる病気は、猫は病院へ連れて行かずに一人で病院へ行って症状を伝えて薬だけ貰うなどしています。
―連れていくかの判断はどのようにしていますか?

これまでの経験や本、ネット上の情報を参考にしています。たとえば、メロはごはんをよく早食いするので、食べたものを戻してしまっても早食いが原因だということが経験からわかります。そういった、原因がわかるときは動物病院には連れていきません。
でも、健康診断や血液検査は必要だと思います。

―定期的に健康診断を受けられているんですか?

基本的には1年に一回です。メロは中性脂肪の検査のために3か月に一回受けていました。検査結果が落ち着いた後からは、メロも年に一回になりました。
こまちは脳腫瘍を患ったことがあるのですが、健康診断を受けていたおかげで早期発見できたので、定期的に受けることは大事だと思っています!
―こまちの脳腫瘍の話は『こまち闘病記』としてブログでまとめられていますが、闘病中に気を付けていたことはありますか?

腫瘍にキノコ汁が効くと聞いて飲ませていたり、脂が良くないと聞いたのでお肉を控えたりしていました。
ただ、あまり美味しそうではなかったり、お医者さんからストレスも体に悪いと言われたりしていたので、今ではあそこまで節制しなくてもよかったのかなと思っています。

―健康のために節制をするのか、人と比べて短い寿命をストレスなく生きてもらうのか、飼い主にとってはとても難しい問題ですよね。

そうですね。今は、やせ型で食の細いタビにはあえてカロリーや嗜好性の高いジャンキーなごはんをあげたりして、まず食べることを第一に考えています。なるべくストレスがなく、楽しく幸せに生きてもらえるようにしています。メロは、中性脂肪のこともあって療法食を食べているので、タビのごはんをうらやましそうにしていますね(笑)。

―こまちは脳腫瘍のあとにリンパ腫も患ったと拝見しました。『こまち闘病記』の経験で活かされたことはありましたか?

リンパ腫が判明して、「これからお世話を頑張るぞ」と意気込んでいた矢先に亡くなってしまったので、これといって活きたものはありませんでした(笑)。ただ、脳腫瘍時代からお世話になっていた動物病院の先生のもとで、できるだけの処置はしたつもりです。
亡くなる2日前に、こまちの大好きなお肉を食べさせてあげようと思って買いに行ったのですが、すこしケチって和牛ではなく外国産のお肉を買ったことが唯一の後悔ですかね……(笑)。
―こまちが亡くなってしまった後、どのように立ち直りましたか?

亡くなった次の日はすごく落ち込んで、これからどうしようと思い詰めていました。
その後「こまちゃんがいないなら引っ越そう!」「新しい家を建てよう!」というふうに活発的になりました。今振り返ると、ショックの反動でそうなっていたんだと思います。
―忙しくなって気が紛れていたということですね。

そうですね。でも、そのおかげで長いこと落ち込むことはなかったので、考えすぎずに何か行動をしてみることは悲しみを乗り越えるために大事なことだと思います。
これからは『メロとタビ』を中心に
―ご自身の今後の活動についてどのように考えていますか?

今は、『メロとタビ』を描くことが楽しいので、力を入れていきたいです。そのせいで『まめきちまめこニートの日常』が少し疎かになってしまっているのですが……。
―以前は個展も開かれていましたが、いかがでしたか?

私が描いた絵を多くの人に見てもらえて楽しかったです。いつもブログ見てくれているみんなが『メロとタビ』も受け入れてくれて、たくさん反応してくれて…。『メロとタビ』の話から初めて見てくれた人などもいるので、今はこれを頑張りたいです。

―最後に読者の方々へのメッセージをお願いします。

多くの人に『まめきちまめこニートの日常』を見てもらっていて、本当にとてもありがたいです。
私のブログを見てくれるいい人ばかりで……、みんなありがとう!
もしかしたら、『まめきちまめこニートの日常』の更新が少し減ってしまうかもしれませんが、のんびりと描き続けられるだけ続けたいので、これからも見てください!
―ありがとうございました! これからの作品も楽しみにしています!
まめきちまめこ
犬・猫や家族、友人との何気ない日常を面白おかしく描いた漫画をブログやSNSに投稿。著書に『まめきちまめこニートの日常』、『まめきちまめこニートの日常 こまちとタビ』、『メロとタビのクッキーだいさくせん』(いずれもKADOKAWA)など。
ブログ:https://mamekichimameko.blog.jp/
X:@mamekichirou
Instagram:@mamekichi_mameko
YouTube:まめきちまめこ
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