書籍『そのシカ、どこから来たと思います?』(著:兼子伸吾)発刊

緑書房はこのたび、『そのシカ、どこから来たと思います?』(著:兼子伸吾)を発刊しました。

書籍概要1:そのシカ、どこから?

最近、シカにまつわるニュースをよく見かけると思いませんか?
本記事公開日直近の2026年5月25日には、京都市でシカの目撃情報が相次ぎ、京都御苑で発見されたことが話題になりました。

以前よりも広い地域で姿をみせるようになったシカ。
では、目の前にいるシカはどこで生まれ、どこからやって来ているのでしょうか?

その手掛かりの1つとなるのが、すべてのいきものがもつDNAです。
DNAにはいきものの遺伝情報が記録されており、観察だけでは分からない、いきもののくらしや移動を明らかにしてくれます。

本書は、野生生物の遺伝情報を調べる専門家が、シカのDNAを調べることで判明した驚きの事実とともに、シカといういきものの興味深さを語り尽くした一冊です。

たとえば、奈良公園のシカは人と近い距離で生きていることで有名ですが、DNAを調べたところ、1,000年以上この場所に住んでいると分かりました。
1,000年という長期間、この土地に居続けたのはなぜでしょうか? それによってどのような影響があったのでしょうか?

シカのDNAを調べることで明らかになった驚きの事実の数々を紹介

他にも、富山県のシカの約40パーセントが屋久島のヤクシカと非常によく似たミトコンドリアDNAのタイプをもっていたことが判明しています。
離島でくらしていたヤクシカが海を越え、新天地を求めて移動を続け、富山県にやって来たのでしょうか?

本書はそれらの研究についても触れているので、気になった方はぜひお読みください!

書籍概要2:シカからみえる生物多様性、そして人

シカは、ときに人が乗る自動車と交通事故を起こしたり、希少な植物を食べ尽くしてしまったり、クマが食べものとしてシカを襲うこともあります。

シカは人を含めた多くのいきものと深くかかわっており、シカが増える・減ることで、他の生態系にも大きな影響を及ぼします。

シカは川沿いに人の居住地にも下りてきます

本書ではシカの基本的な生態や特徴について概説しながら、人間社会や他のいきものとのかかわり、シカが増える理由、農業被害や生態系への影響、環境問題まで、シカにかかわる幅広いトピックを解説しています。

大きな生態系・生物多様性の中からシカをみつめていると、だんだん「こんなの、シカだけの問題じゃないのでは!?」、「他人事じゃない!?」と、「人」の歴史と行動が浮かび上がってくるはずです。
ニュースで報道される「シカ問題」も、違った見え方をしてくるかもしれません。

身近なようで意外と知らない、シカの秘密と魅力を解き明した一冊となっています。
ぜひ本書で、シカといういきものの興味深さを感じてみてください!

主要目次

第1章 シカからわかるこんなこと
・「私」はこんな人
・シカを調べ始めたワケ
・身近で知らないニホンジカ
・奈良のシカは何が特別?
・シカとつながるいきものたち
・〈コラム〉ルリセンチコガネは稲作や戦乱の歴史から生まれた!?

第2章 シカってそもそも何者だ?
・ニホンジカは全部同じ?
・どこにでもいるシカたち
・すむ場所でいろいろ違うシカ
・スローライフな島のシカ
・繁殖と遺伝から見るシカのしぶとさ
・3頭から450頭に! ~洞爺湖中島の話~
・日本中で増えるシカたち
・〈コラム〉町にやってきたケープくん

第3章 シカよ、どこからどこへ行く
・富山のシカは屋久島出身?
・シカの移動を直接追う方法
・シカの痕跡から個体数を探る
・DNAで血筋を探る
・シカは「どこでも」行けるのか
・人がシカを連れて行った理由
・バイキングと旅したアカシカ
・ヨーロッパで広がるニホンジカ
・フランスにいた「奈良のシカ」
・家畜にならなかったシカたち
・シカの移動からわかる歴史
・〈コラム〉DNAの調べ方

第4章 シカが教えてくれること
・どうして増えるニホンジカ
・シカは増えたらいけないの?
・あなたに迫るシカ問題
・〈コラム〉クマにも影響を与えているシカの増加
・一筋縄ではいかないシカ対策
・DNA解析が示した奈良のシカと人の縁
・1000年続いた保護の歴史
・奈良公園のシカを脅かす「変化」
・人が変わればシカも変わる
・いきものたちが織り成す世界とその一員としての私たち

【著者】
兼子伸吾(かねこ しんご)
DNAからいきものの過去と現在を読み解く研究者。福島大学共生システム理工学類 教授。1978年静岡県磐田市生まれ。広島大学大学院国際協力研究科を修了後、京都大学大学院農学研究科を経て、2012年より福島大学にて研究や教育に従事している。少しかわったいきものの研究の他、絵本を使ったユニークな授業などにも取り組んでいる。座右の書は『MASTER キートン』。

※著者の所属、略歴は出版時の情報です

【本書概要】
・書名:そのシカ、どこから来たと思います?
・著者:兼子伸吾
・発行:緑書房
・体裁:四六判200頁
・定価:本体2,700円(税別)
・発売日:2026年5月29日
・ISBN978-4-86811-061-3

■お問い合わせ先
株式会社 緑書房 販売部
〒103-0004 東京都中央区東日本橋3-4-14
TEL:03-6833-0560
https://www.midorishobo.co.jp/

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