サンショウウオの仲間には、地味な体色のものから派手な模様を持つものまで、様々な種類がいます。そして、日本は世界的に見ても比較的小さな国土でありながら、多くの種がひしめき合っている珍しい地域です。私のもとにも、海外の両生類・爬虫類の研究者などが案内して欲しいと連絡が多く来るほどなので、研究者にとってはよっぽど魅力的なのでしょう。
特徴的な模様を持つ「ブチサンショウウオ」
そんな数多くいるサンショウウオの中でも、私が昔から気にいっている模様を持つ種が、今回紹介する「ブチサンショウウオ」です。本種をはじめて見たとき、自然が作り出す美しさに感動を覚えました。サンショウウオに興味を持ったきっかけの1種であり、何としても出会いたい種の1つでした。その夢が実現したのは、それほど前のことではありませんでしたが……。

サンショウウオと出会うために大切なこと
サンショウウオの仲間と出会うためのポイントとして、産卵期に探索することがあげられます。
というのも、成体が産卵のために水場に集まるため、探す場所を水辺周辺に絞り込めます。それ以外の時期は、水辺にいるのか、陸上にいるのか、木の上にいるのか……。雲をつかむ様な探索をしなくてはならず、とてつもない労力が必要となります。そのため、私の写真はこのような時期に撮影したものが多いです。

ブチサンショウウオは流水性のサンショウウオで、渓流を探すのが一番です。本種は分布が九州に限定されるため、探索に行くときは長崎県、佐賀県、福岡県の険しい山の頂上に近い源流部を目指し、あとは運に任せます。もちろん、観察をする際は国や地方自治体の決め事を遵守しなくてはいけません。
同様の場所では、越冬している幼生が見られることがありますが、成体を見つけるのは至難の業です。簡単に見つかる場所があったり、片道3時間歩いても見つからないことがあったりと、困難を極めました。しかし、見つけた時の感動と美しさから、また会いに行きたいと思ってしまいます。

おわりに
模様には変異があり、私が以前図鑑で見た長崎県の個体は、模様の配置やグラデーションのかかり具合が最高でした。この個体に、いつかその山で出会ってみたいと夢を持っているくらいです。
せっかく諸外国が魅力的と思うほどの自然を誇る日本にいるので、もっともっと様々な自然やいきものに出会いたいものです。

【文・写真】
関 慎太郎(せき・しんたろう)
1972年兵庫県生まれ。自然写真家、びわこベース代表、日本両棲類研究所展示飼育部長。身近な生きものの生態写真撮影がライフワーク。滋賀県や京都府内の水族館立ち上げに関わる。『日本のいきものビジュアルガイド はっけん!』シリーズ(サワガニ、スッポン、田んぼのいきもの、カナヘビ、小型サンショウウオ、ニホンイシガメ、ニホンヤモリ、トカゲ、イモリ、ニホンアマガエル、オタマジャクシ、オオサンショウウオ)、『野外観察のための日本産両生類図鑑 第3版』『同 爬虫類図鑑 第3版』、『世界 温帯域の淡水魚図鑑』、『日本産 淡水性・汽水性エビ・カニ図鑑』(いずれも緑書房)、『うまれたよ! イモリ』(岩崎書店)、『日本サンショウウオ探検記 減り続ければいなくなる!?』(少年写真新聞社)など著書多数。

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