オランダのほぼ中央にある国内第4の都市ユトレヒト。首都アムステルダムから約30キロメートル南に位置し、アムステルダム・スキポール空港から電車で約45分と、気軽に訪れることができます。この街は、世界的に愛されるミッフィーの生みの親、ディック・ブルーナが暮らしていた場所としても有名です。

オランダ語で「nijntje(ナインチェ=小さなうさぎ)」と呼ばれるミッフィーは、まさにユトレヒトのシンボルそのもの。街中にはナインチェ・ミュージアムや大きなミッフィー像、ブルーナが通っていたケーキ屋などが点在しており、そのお店では今でも、ここでしか手に入らないミッフィーのクッキーを購入することができます。さらに、街角の小さな看板にもミッフィーが描かれていたりと、歩くだけで目を楽しませてくれます。なかでも、とくに有名なのが、ミッフィーの形が表示される信号機。ユトレヒトでは、地元の人々はもちろん、世界中のファンから愛されているミッフィーを、街のいたるところで見ることができます。

そんなかわいらしい街の中心を流れる川に沿って散策するうちに見つけた、水辺のカフェでお茶を楽しんでいると……、ふとブルドッグ愛にあふれたアンティークショップが目に留まりました。ショーウィンドウ越しに見えたのは、アンティークソファにどっしりと腰を掛けた、ピンクのニットを着た恰幅の良い男性。そしてその足元には、自由気ままにくつろぐ2頭のブルドッグ。あまりにも絵になる光景に、目が釘付けになりました。
オーナーに「写真を撮ってもいいですか?」と尋ねてみると、「いいよ」と快く答えてくれました。さっそく店内に足を踏み入れると、経理担当の奥さんが事務仕事をしている横で、さらに2頭のブルドッグが仲良く眠っていました。


あまりにもかわいらしくて、思わず微笑んでしまいましたが、寝息は「グー、ピー」となかなかの大音量。その音がまた愛おしいのです。それでも奥さんはまったく気にする様子もなく、穏やかな表情で仕事を続けていて、その姿についクスッとしてしまいました。オーナーご夫妻と4頭のブルドッグたちの日常を垣間見ることができ、とても幸せな気持ちになりました。

お礼を伝えてお店を後にし、10分ほど歩いたころでしょうか。なんと、あのブルドッグたちに再び出会いました。どうやら夕方のお散歩は息子さんの担当のようです。
このブルドッグたちは街でもすっかり有名らしく、あちらこちらから声をかけられていました。その様子を眺めながら、ユトレヒトでは表の人気者がミッフィーなら、陰の人気者はこのブルドッグ家族なのかもしれないと、そんなことを感じた、心温まる旅のひとコマでした。

【写真・文】
蜂巣文香(はちす・あやこ)
写真家。犬、猫、コンパニオンバードなどのペット写真をはじめ、手仕事やライフスタイルなどさまざまな分野で“伝わる”写真を日々撮影している。広告や雑誌、書籍、WEBなど幅広く活躍中。欧米を中心とした海外での撮影経験も豊富。愛犬雑誌「Wan」(緑書房)でもおなじみのカメラマンで、柴犬をモチーフにしたカレンダーシリーズ「しばいぬ(卓上)」「日本の柴犬(壁掛け)」「黒柴(壁掛け)」(緑書房)も毎年好評を博している。
Instagram:dogtionary_hachi
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