大陸の端っこに行ってみたい——そんな思いから、5月にユーラシア大陸最西端の地を目指し、ポルトガルを旅してきました。
ポルトガルでは、ポルト、リスボン、オビドスなど、いくつもの街を巡りました。海辺を歩き、石造りの集落を訪ね、坂道だらけの街を散策しながら、それぞれの街の空気に触れ、異なる魅力を感じました。猫と出会う機会はそれほど多くはありませんでしたが、その分、出会えたときの嬉しさはひとしおでした。

最西端のロカ岬には、夕日の時間に合わせて行きました。「Onde a terra se acaba e o mar começa(ここに地果て、海始まる)」と刻まれた石碑が立ち、その先には大西洋が広がっています。強い風に吹かれながら、ついに広大なユーラシア大陸の最果てに辿り着いたのだと、深く噛みしめました。

主要都市であるリスボンやポルトは、坂の多い街として知られています。実際に歩いてみると想像以上のアップダウンで、地図では近くに見えても、歩くとなかなかに堪えました。そんな道中で猫に出会うと、不思議と疲れがふっと軽くなり、再び歩き出す力が戻ってくるのでした。

15年ほど前に放送されていた、某消臭剤のコマーシャルが撮影された展望台にも立ち寄りました。オレンジ色の屋根が連なるリスボンの街を眺めながら深呼吸したくなる、とても気持ちのいい場所でした。

ポルトガルを旅していると、街のあちこちに猫の気配を感じました。店先や家の前には猫の置物が並び、猫の姿が見えなくても、人の暮らしのそばに猫がいることが自然と伝わってきます。

また、ビワの実がなっているのをよく見かけました。市場に並ぶ実は、日本で見慣れているものより一回り大きく見えました。ビワの木の下でのんびりと過ごす猫にも出会い、それもまた、旅先ならではの風景でした。

他には、家の前に出て朝日を浴びる猫たちにも出会いました。柔らかな光に包まれて、気持ちよさそうに過ごしていました。

朝のパトロールに勤しむ猫もいました。ついておいでと言うような仕草に導かれて後ろを歩いてみると、5分ほどで家の周りを一周するルートでした。迷路のような集落の中で、「この道はここにつながっていたのか」と思わぬ発見もありました。

子育ての季節だったのか、ツバメが多く飛び交っていました。軒下にツバメの巣が10個ほど並ぶ家があり、親鳥がひっきりなしに子どもへ餌を運んでいるようでした。その窓辺で、猫が飛び回るツバメをじっと見つめていました。ときおり立ち上がって追うような仕草に思わず笑みがこぼれました。

大陸の最果てで感じた風とともに、猫がいるささやかな風景が心に残っています。
【文・写真】
町田奈穂(まちだ・なほ)
猫写真家。水中写真家・鍵井靖章氏との出会いをきっかけにカメラを始める。「猫×彩×旅」をテーマに、世界中を旅しながら各地で出会った猫たちを撮影。これまでに35ヶ国以上を訪れ、2023年には念願の世界一周を果たす。2023年、2024年に富士フォトギャラリー銀座にて個展を開催。その他企画展やSNS等を通じて作品を発表している。
Instagram:cat_serenade
X:naho_umineko
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