フォトエッセイ犬と人が織りなす文化の香り【第29回】韓国・忠武路(チュンムロ)

「旅に行きたい」と思うと、ついついヨーロッパへ足が向いてしまいますが、今回ふと思い立って向かったのは、アジアでした。
行き先に選んだのは、韓国です。

辛くておいしいものにも目がない私にとって、韓国は以前から気になっていた旅先でした。この他にも、私を韓国へと向かわせた理由があります。
それは「犬」です。

韓国の知人から「動物が好きなら、忠武路(チュンムロ)に愛犬通り(エギョンコリ)があるよ」と教えてもらいました。

「これは世界中どこを見てもここだけなのでは!?」という思いと、犬好きな私にとって、その言葉はとても気になるものでした。韓国を訪れるなら、ぜひ一度行ってみたい。そんな小さな目的を秘めて、忠武路を目指しました。

羽田空港から金浦空港、そこから地下鉄に揺られること1時間弱、忠武路駅に到着しました。1番出口からまっすぐ歩いていくと、いよいよ目的の「忠武路 愛犬通り」が見えてきました。
通りには、数々のペットショップだけでなく、ペット用品店や動物病院なども並んでいました。

まず目に飛び込んできたのは、大きなショーウィンドウの向こうにいる子犬たち。
チワワ、プードル、マルチーズ、シー・ズー……。小さな体でちょこちょこと動き回る姿やじゃれあうしぐさは、犬好きにはたまりません。また、ゴールデン・レトリーバーのような大型犬や、シベリアン・ハスキー、チャイニーズ・シャー・ペイなど、普段の生活ではなかなかお目にかかれない犬種たちの姿もありました。

そして、もうひとつ私が面白いと思ったのが、犬用の洋服やグッズを扱う路面店です。どこか原宿の街を思わせるような雰囲気で、かわいらしい犬の洋服や小物が店先に並んでいました。しかも、思っていた以上にリーズナブル。お土産を探すように、愛犬のお洋服やグッズを選んでいる人の姿も見かけました。
犬を飼っている人なら、きっと「これ、うちの子に似合いそう」と、あれこれ選ぶ時間も楽しいのだろうなということも想像できました。

忠武路 愛犬通りを歩いていると、韓国の人たちにとって、犬や猫などのペットがとても身近な存在なのだということが伝わってきました。

旅先で出会う風景は、必ずしも有名な観光名所ばかりではありません。今回の韓国旅で私が楽しみにしていたのは、まさにこうした「犬に出会える街歩き」でした。

【写真・文】
蜂巣文香(はちす・あやこ)
写真家。犬、猫、コンパニオンバードなどのペット写真をはじめ、手仕事やライフスタイルなどさまざまな分野で“伝わる”写真を日々撮影している。広告や雑誌、書籍、WEBなど幅広く活躍中。欧米を中心とした海外での撮影経験も豊富。愛犬雑誌「Wan」(緑書房)でもおなじみのカメラマンで、柴犬をモチーフにしたカレンダーシリーズ「しばいぬ(卓上)」「日本の柴犬(壁掛け)」「黒柴(壁掛け)」(緑書房)も毎年好評を博している。
Instagram:dogtionary_hachi

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