水草水槽には外部式フィルターが良い?~水草水槽と各フィルターの相性~

水草水槽には外部式フィルターが良いといわれています。外部式フィルターは、他のフィルターと比べると少し高価ですが、その分メリットはあるのでしょうか? また、使用するろ材の選び方や使い方はどうすればいいのでしょうか?

この記事では、このようなアクアリウム初心者さんのお悩みを解決すべく、外部式フィルターのメリット・デメリット、おすすめの理由や運用方法などを解説します。

外部式フィルターのメリット

外部式フィルターのメリットは、次のようなものがあげられます。

・二酸化炭素が逃げにくい
・ろ材をたっぷり収容できる
・複数のろ材を自由にカスタマイズできる
・ウールやスポンジ以外は長期間使用可能で、ランニングコストを低減できる
・本体の耐久性が高く長期使用が可能
・静音性が高い
・2本の給排水ホースの自由度が高い
・パーツ、ラインナップが豊富

外部式フィルターの例(EHEIM)

関連パーツが豊富な点は、自作する工夫の余地や楽しみがあるので、カスタマイズが好きな方にはおすすめできるポイントです。
また、一口に「外部式フィルター」といっても、ポンプの性能差による水流の強弱や、ろ材の容積やサイズ差などもあり、市販された多くの製品の中から自分に合うものを選択できることもメリットの1つです。

外部式フィルターのデメリット

デメリットとしては次のようなものがあげられます。

・他のフィルターに比べてイニシャルコスト(初期費用)が高い
・慣れるまで掃除に手間がかかる
・水槽外に設置場所が必要
・閉鎖ろ過形式であること

「閉鎖ろ過形式」について補足をすると、外部式フィルター内は密閉されているので、外の空気に触れていません。そのため、ドライろ過形式*と比べると、ろ材への酸素供給効率がやや劣ります。水草水槽ではろ過効率の高さを求めないことが多いので考慮するレベルではありませんが、魚主体の多数飼いの水槽などでは、少し気になることもあります。とはいえ、一般的な水草水槽内での飼育魚数を想定すると、気にする必要はありません。
*ドライ式ろ過形式:ろ材が常に空気に触れているため、ろ過効率が高い

外部式フィルターの置き場所がないときは選択肢から外さざるを得ませんが、置き場所を確保できるのであれば、メリットがデメリットをはるかに上回ります。したがって、しっかりと水草水槽を立ち上げる場面では、外部式フィルターを選ぶことをおすすめします。

水草水槽で外部式フィルターがおすすめされる理由

市販のフィルター製品の種類は、外掛けフィルター・水中フィルター・底面式フィルター・外部式フィルターなどがあげられます。それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、水草水槽に外部式フィルターがおすすめできる理由を説明します。

物理的に水草水槽レイアウトの邪魔をしない

外部式フィルターは、給水と排水の2本のホースとパイプのみでの設置が可能です。水槽内に本体を設置する必要がなくなるため、水槽全体をレイアウトスペースとして活用することができます。他のスタイルのフィルターに比べ、見た目の「すっきり感」は唯一無二です。水槽内を思い通りに、そして自由にスペースを活用でき、レイアウトの自由度が向上します。

他のフィルターより費用が掛かる点がネックですが、アクアリウムを長く続けている愛好家たちは、外部式フィルターに行き着く傾向があります。

水草水槽のレイアウト例。両サイドの上部に給排水が見える

二酸化炭素が逃げにくい

水草を健康的に育て上げるに二酸化炭素は重要ですが、エアレーションや水面の波立ちなどにより、二酸化炭素は水中から逃げやすくなります。前述したように、外部式フィルターは密閉式のため、添加している二酸化炭素のロスを最も削減できます。

外部式フィルターのメリット・デメリット、酸素と二酸化炭素濃度変化をまとめた動画 ※再生すると音が出ます

水草にとって水流は重要

外部式フィルターのポンプは安定した力で水を押し出すので、水槽内にしっかりとした流れを作ることが容易になります。添加している二酸化炭素も、水槽全体の水草たちへ隅々まで供給できます。受け取った二酸化炭素は、水草たちの光合成により酸素に変換され、水流によって魚やフィルター内部のバクテリアたちへ供給されます。これで水槽全体のコンディションを維持・向上させられることがイメージできると思います。外部式フィルターによる十分な水流は、水槽全体を活性化させることにも役立ちます。

水草レイアウトにとっていかに水流が重要かを詳細に説明した動画 ※再生すると音が出ます

水草水槽にとって必要なろ材量と水流のバランス

水草水槽向きの外部式フィルターは、ろ材を収容するための大きな容積を必要としませんが、小さすぎるものは避けた方が無難です。容積が小さすぎると、ろ材を増やすことで調整できなくなります。

また、しっかりと水流を送ることができるポンプが付随している製品をおすすめします。能力以上に水流を強くすることはできませんが、強い水流を弱めることは難しくありません。フィルター選びは、何度も買い換えることを避けるためにも、ろ材を収容する容積と水流の確保を念頭に選択するのが賢明でしょう。

水草水槽にとっての二酸化炭素の重要性

水草は植物なので、光合成をしてはじめて繁栄します。したがって、水草を育てるときに二酸化炭素を添加しないということは、魚に餌を与えずに飼育していることと同義かもしれません。同じアクアリウムでも、どこに主眼を置き、適切なコストをかけるべきかどうかは、魚主導か水草主導かで判断が異なります。

水草を主眼にしたい場合は必須

水草を含めた植物の光合成は、光と水と二酸化炭素がその源となります。水槽の中で水草を育てるきは、水中で不足しがちな二酸化炭素の添加は必須であり、最低限の条件となります。一方で、魚飼育をメインとしてアクアリウムを楽しむとき、水草は添え物かもしれません。その場合に二酸化炭素を添加するかどうかは、コスト面を考える必要があるかもしれません。ただし、「水草も入れてキレイに楽しみたい」場合は、やはり必須かつ最低限の条件となります。

二酸化炭素添加に必要な器具

60センチメートル未満の水槽で水草水槽を立ち上げるのであれば、小型カートリッジボンベを準備するのが一般的です。必要量もしくは十分量を供給できるのであれば、違うスタイルでも構いません。水草水槽を長く楽しもうと考えているのであれば、製品がしっかりしていて、安定して添加できる器材のチョイスが賢明です。60センチメートル以上のサイズで水草水槽を楽しむ場合には、通称「ミドボン」と呼ばれる大型のボンベの準備をおすすめします。ランニングコストをグンと軽減できます。

また、前述した通り、二酸化炭素を効率的に水草に供給するためには、水流が重要になります。外部式フィルター本体のみで十分な水流を確保できていないときなどは、補助ポンプの活用も視野に入れましょう。

魚にとっての二酸化炭素と酸欠について

適切な量の二酸化炭素添加であれば、水草水槽内の魚の健康を害することもありません。むしろ、二酸化炭素の添加や強い照明の供給により、水草の光合成が活発になり、より多くの酸素を水中に放出します。二酸化炭素機材の暴走などで過剰添加される事故を除けば、水草を入れた水槽での魚にとって、二酸化炭素の添加はメリットになります。 つまり、不慮の事故を未然に防止するためにも、二酸化炭素関連機材は、安心のおける製品を選んで準備しておきましょう。

水草水槽限定で最適なろ材とは?

水草水槽の場合は、過剰に魚を入れて水を汚す可能性が低いので、長期的な視点でフィルターを検討する必要があります。ろ過するというよりも、目詰まりをいかになくせるかに重きを置いてろ材の選択をするのが良いでしょう。

適度に穴が開いた円筒形のろ材は、水の通水性が高く年単位の放置さえなければ目詰まりすることはありません。

目詰まりしづらいろ材の例(EHEIM)

物理ろ過は限定的に考える

はじめは、水が一度通る毎にしっかりとろ過してしまうのが良いと考えがちです。こし取り方式は物理ろ過*の1つとして考えましょう。こしきると、目詰まりの発生により水流が低下し、フィルター機能も低下するデメリットがあります。
物理ろ過は、水槽立ち上げの初期段階時のみなど、短期的に行いましょう。
*物理ろ過:水槽内のゴミや汚れを、フィルターなどのろ材の網目で物理的に絡め取って分離させるろ過方法

バクテリアの重要性

目詰まりによる水流の低下に気づいた時は、フィルターを開けて洗います。しかし、これはそれまで培ったバクテリアなども流出させてしまい、せっかくの時間の蓄積を不意にしてしまいます。

実は、ろ過槽を触らないまま半年ほどを過ぎると、従来以上のコンディションを発揮できることがあります。短いスパンでのろ過洗浄は、知らないうちに良好なコンディションの水槽を見ることなくリセットしてしまっていることがあるので、注意しましょう。
水通りがよく、目詰まりしにくいろ材の使用をおすすめします。

おわりに

水草水槽に外部式フィルターがおすすめされる理由を紹介しました。外部式フィルターは水草レイアウトの邪魔にならず、二酸化炭素が逃げにくいというメリットがあります。その他にも、強い水流を水槽内に作ることができ、水草のみならずバクテリアや魚にとっても有益で、水槽全体のコンディションがあがることが期待されます。

[出典]
水草水槽と外部式フィルターの相性 ~エーハイムアンバサダーが語る~

【協力】
神畑養魚株式会社
観賞魚を中心に爬虫類・両生類・鳥・小動物などの生体卸や、観賞魚用品の輸入販売、観賞魚の養殖を事業の柱としている。
ホームページ:https://www.kamihata.co.jp/

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