第37回でポルトガルに行ってきた話を紹介しましたが、日本からポルトガルへの直行便はないため、スペインのバルセロナを経由して、往路も復路も空港近くの街で1泊ずつしていました。
往路は少し時間に余裕があったので、久しぶりにサグラダ・ファミリアを見に行こうと思っていました。ところが、工事の影響で、思った以上に時間がかかりそうだったので、無理をせず、ホテルを予約していた街へ向かうことにしました。

そこは、古代ローマ時代の建造物が今も残る、歴史ある街でした。石造りの建物が並ぶ通りを歩いていると、ときどき猫の姿が目に入ります。

路地や公園、窓辺など、街のあちこちで猫に出会いました。
公園には、近所の家の猫が遊びに来ていました。猫にとって、この公園は庭のような場所なのかもしれません。

住宅街でも猫に出会いました。ぽつぽつと咲いていた白い花が、可愛らしかったです。

長い階段の途中でくつろぐ猫もいました。息を切らしながら登ってくる人たちを、余裕の表情で眺めていました。

翌朝は、日の出前に起きて散策に出ました。とはいっても、この時期の日の出は7時過ぎなので、それほど早朝というわけではありません。ポルト行きのフライトに間に合うぎりぎりの時間まで街歩きを楽しみ、結果的に、早めにこの街へ来て正解だったと思いました。

一方、復路は慌ただしいものでした。
リスボンからの便が天候不良で大幅に遅れ、ホテルに到着したのは夕方。街をゆっくり歩く時間はあまりなかったので、翌朝早起きをして散歩に出ることにしました。
隅々まで歩くことができず、「この街では、猫に会えないかもしれない」と諦めかけていたところ、1匹の猫が家の間からゆっくりと歩いてきました。朝のパトロール中だったのでしょう。堂々とした足取りで、自分の縄張りを見回るように歩いていく姿が、とても印象に残りました。

その猫に導かれるように付いて行くと、日が昇ってキラキラと輝く海に出ました。その光景を眺めていると、「今回の旅もよかったな」と、なんだかすっきりした気持ちになりました。そして、やっぱり自分は海が好きなのだな、とも思いました。旅先では、つい海が見える街を選んでしまいます。

こうして、サグラダ・ファミリアを見逃したこともすっかり忘れて帰路に就きました。スペインはなぜか相性が良く、いつ訪れても居心地良く感じる場所です。食べ物も美味しいですし、きっとまた行くでしょう。
サグラダ・ファミリアは、また今度。
【文・写真】
町田奈穂(まちだ・なほ)
猫写真家。水中写真家・鍵井靖章氏との出会いをきっかけにカメラを始める。「猫×彩×旅」をテーマに、世界中を旅しながら各地で出会った猫たちを撮影。これまでに35ヶ国以上を訪れ、2023年には念願の世界一周を果たす。2023年、2024年に富士フォトギャラリー銀座にて個展を開催。その他企画展やSNS等を通じて作品を発表している。
Instagram:cat_serenade
X:naho_umineko

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